レストラン「アンナミラーズ」が閉店 ラスト営業に惜別客殺到!品川エリアでの復活に含み

杉田 康人 杉田 康人
営業最終日を迎えたアンナミラーズ高輪店
営業最終日を迎えたアンナミラーズ高輪店

 あずきバーや肉まん・あんまんなどで知られる井村屋(三重県津市)が、日本で展開するレストランチェーン「アンナミラーズ」の最後の店舗だった高輪店(東京都港区)が31日、閉店する。

 アンミラ最後の日は、31日未明から根強いファンが長蛇の列をつくった。約260枚用意された入場整理券が、朝7時半ごろに〝完売〟。行列一番乗りは、午前2時だったという。

 20年来通っていたという東京都大田区のホテル従業員・加藤寿里さん(39)は「閉店を知った時はショックだった。大学生の頃にアンナミラーズを教えてくれ、ここで誕生日を祝ってくれたり相談に乗ってくれたアルバイトの先輩も亡くなってしまい、きょうは思い出しながら感慨深く過ごした。戻ってくるなら、この地に戻って来てほしい」と別れを惜しんでいた。

 高輪店は1983年(昭和58)、品川駅前の京急ショッピングセンターウィング2階に国内11店目としてオープン。井村屋フードサービス部の鼎(かなえ)正教さん(67)は、28歳の時に同店の初代店長になった。

 「とても忙しい店舗で、立地はベストだったのでは。あまりにも人が来すぎて、お客さんが中にぐいぐい入ってきちゃうので、背の高いウエイトレス3人を壁のように入口に立たせて応対させた。その中の1人が、有賀さつきさんだった。後にフジテレビのF1中継を見てびっくりした」と、早世した女子アナの学生時代を振り返った。

 鼎さんは「お客さまの声を真摯(しんし)に受け止めないといけない。品川駅前再開発のための閉店はいたしかたないが、ここが最後の1店舗だったので、次の店は必ず出さないといけない。第2のアンナミラーズは品川地区で。リニアモーターカーができるまでには」と復活を期した。

 米アンナミラーズ社が世界で展開するアンナミラーズ店舗は、ハワイや中国などで現存する。日本では1973年(昭和48)6月、東京・南青山に1号店がオープン。コーヒーのおかわり無料サービスで先べんをつけ、最盛期には国内で25店舗を数えた。胸元のフリルが目をひいた女性店員のかわいいユニホームは、あこがれバイトのひとつになった。

 国土交通省から品川駅西口基盤整備事業にともなう移転要請があり、高輪店は移転に同意した。井村屋は、現時点では未定としながらも「高輪店と同程度の集客が見込める立地での新規出店を検討している。ここで一度終わるのだから、ここでまたスタートできたらいいですよね」と、品川エリアでの再出発に含みをもたせた。

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