”ちくちく言葉”を「ぴよぴよ」に変換 弱メンタル社長が開発したコメント対策

ちくちく言葉を「ぴよぴよ」に変換
ちくちく言葉を「ぴよぴよ」に変換

 傷つく言葉を「ぴよぴよ」に変換して表示するWebサービス「ひよこフィルター」が公開され、注目を集めている。メンタルが弱いと自負するアプリ会社の社長が辛口な口コミやメールから心を守るために開発した。

 「ひよこフィルター」はGoogle ChromeなどのPCブラウザーで動く拡張機能で、あらかじめ登録した言葉を「ぴよぴよ☆」(☆はひよこの絵文字)に変換して画面に表示する。ひよこをクリックすると変換前の言葉が表れる。

 スマートフォンアプリを開発するbondaviの戸田大介社長が、アプリストア内の口コミやユーザーからの要望メールにある厳しい言葉で傷付かないよう自分用に生み出した。メッセージの大半は好意的な内容が多いが、まれに「不便です」「至急対応してください」「なぜそのような仕様にしているか理解できません」など、こだわりを持って作ったアプリへの辛口コメントに出会うことがあったという。

 戸田社長はひよこフィルターで”ちくちく言葉”を「ぴよぴよ」に変換することで、「無防備な状態で攻撃されなくなる」と効果を実感。突然厳しい言葉を目にするよりも、内容を見る前に心構えができるため「ダメージが小さい」と説明した。現在、スマホ版の開発にも取り組んでいる。

 今月25日にサービスの公開を発表後、テレビ番組に取り上げられたり、ツイッター上でも話題が盛り上がったりと大きな注目を集めた。そのせいか、「そんなに弱いメンタルで社長なんかしないほうがいい」と辛辣なメールが届く事態も発生。戸田社長は「予想しているよりもはるかに厳しい言葉だったので…」と、ひよこフィルターでは防御しきれなかったと苦笑いした。

 同社は三日坊主を克服する「継続する技術」、集中力を高める「集中」などのアプリを開発している。社長のこだわりでユーザー目線を重視するあまり、収益源となる広告や課金必須コンテンツがなく、収入はアプリを愛するユーザーからの「寄付」のみ。2018年の会社設立以来、主力事業であるアプリ開発は「ずっと赤字」だった。

 しかし、今年7月には全アプリ合計のダウンロード数が400万を突破。現在はアプリ事業に必要な金額の約60%を寄付で賄えているといい「そんなに遠くない未来に黒字化もあるんじゃないか」と目標達成の可能性が見えてきた。

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