青年会議所(「JC」Junior Chamberの略)という組織をご存じだろうか?
かくいう筆者自身も「商工会議所のようなもの?」とイマイチ分かっていない。青年会議所って一体何?一般社団法人尼崎青年会議所の専務理事、高木孝太郎さんにお話を聞いてみた。
ーー青年会議所はどういう組織ですか?
高木:移民の国アメリカのミズーリ州で市民が交流するダンスクラブとして立ち上がった、小さな青年団体です。日本では戦後すぐの1949年に東京JCができて、1951年に国際青年会議所(JCI)に加盟しました。青年会議所は紹介制(スポンサー制)です。フィリピン青年会議所からの紹介で立ち上がった際には「かつての敵国日本を心から歓迎します」という趣旨のスピーチがあったようです。何がすごいって、日本が国際連合に加盟するよりも早いタイミングなんですよ。
ーーついつい商工会議所と混同してしまいます。違う団体ですか?
高木:違います。商工会議所にも青年部というものもあり、ややこしいですよね(笑)。商工会議所は事業をしている個人や法人が加入できるのに対し、青年会議所は20歳から40歳の品格ある青年であれば誰でも入れます。三信条をベースに活動する団体となっています。
ーー三信条とは?
高木:「奉仕」「修練」「友情」の3点です。尼崎JCは独自の理念として「常にまちづくりを市民と共に考え、実践し、会員の資質向上と組織の活性化を達成するとともにこども達と夢を語れる『まち』尼崎を目指します。」も掲げています
ーーなにか利益を発生させたり、商売をするための団体ですか?
高木:基本的にはJC加盟者の会費を使って、地域貢献活動をする事…「奉仕」が目的です。JCは1年ごとに組織図が再編され、毎年役職が変わります。様々な立場で組織の始動から運用までを1年毎に体験することで「修練」ができるのです。そして活動の中で市外、国外のJCと関わることもあり、「友情」を育みます。
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高木さんは2017年に尼崎JCに入会し、年を追うごとに様々なポジションで関わってきた。昨年は常任理事として人に任せる役割も増え、今年は専務理事として、会議の運営や予算管理、組織運営の統括をしているそう。
ーー高木さんは尼崎青年会議所ではどのような活動をしてきましたか?
高木:コロナが始まったばかりの2020年、「気分城城祭」として尼崎城にYouTuberを呼んでイベントをしました。特にあまがさき観光局とキリンビールさんの協力を仰いだ経験が印象に残っていますね。今年は園児が作った鯉のぼりを市内商店街に掲揚するイベントを行いました。
ーー何故、認知度が低いと思いますか?
高木:毎年することが違うということは、恒例イベントなどが作りにくいのです。認知度は上がりにくいかもしれません。
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取材前の筆者は、若者が営利を求めている団体かと思っていたが、三信条に「奉仕」や「修練」があるように、ボーイスカウトやガールスカウトの大人版のような意味合いの方が強いのかもしれない。団体を運営し、大きなお金を動かして事業を運営するという一般社会ではなかなか得られない経験ができ、向学心の高い人との「友情」も育める。その授業料と考えれば、年会費18万円はかなりお得だと言えるのかもしれない。
最後に未来の尼崎JC会員へ伝えたいことを、高木さんに聞いた。
高木:尼崎青年会議所は「こども達と夢を語れるまち」の実現に向けて本気で考えている団体です。未来のこども達のために共にまちづくりを考え、普段できない経験を通して、共に成長しましょう!
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会員の募集要項などは、是非ホームページから確認してほしい。
一般社団法人尼崎青年会議所:https://amagasakijc.org/
2020年『気分城城祭』の生配信:https://youtu.be/8HFU1M-2fK8