アニメ「邪神ちゃん」ヤフコメからまさかのインスパイアで新展開 公式が二次創作を奨励する〝革命〟

松田 和城 松田 和城
TVアニメ公式がMAD動画を奨励するニコニコ史上初の企画「邪神ちゃんMAD&動画投稿祭」はニコニコで8月19日から開催される
TVアニメ公式がMAD動画を奨励するニコニコ史上初の企画「邪神ちゃんMAD&動画投稿祭」はニコニコで8月19日から開催される

 動画サイトにはびこる違法切り抜き動画に対抗して、さまざまな対策を実施し話題を呼んでいるアニメ「邪神ちゃんドロップキックX」(邪神ちゃん)製作委員会は13日、動画、音声を編集する二次創作物・MADの素材提供を開始した。「邪神ちゃん」製作委員会によると、違法切り抜き動画対策を取り上げたポータルサイト「Yahoo!」の記事に寄せられたコメントがきっかけだという。

 「邪神ちゃん」製作委員会は違法切り抜き動画対策として、先月27日、放送中の第3期1話を冒頭に原画を組み込んだ100本に分割し、公式ユーチューブチャンネルで公開。「邪神ちゃん」宣伝プロデューサーの柳瀬一樹氏が、よろず~ニュースの取材で「全部アップロードしてしまったら、もう違法でアップロードする理由はないと思う」と明かしていた。翌日、この件をまとめた記事がヤフーニュースで配信され、15日までに50件以上のコメントが。その中で「二次加工側としては今までよりも切り抜く必要がなくなったのでMADを作りやすくなったのは?」と公式の切り抜き動画が悪用されてしまう危険性について指摘があった。製作委員会は「そうかMAD素材にしてしまえばいいな」と〝デメリット〟をアイデアに昇華。13日、公式ツイッターで「切り抜き動画がMAD素材として使われたらどうするのかと言われたので、素材として提供しようと思いました!みんなで遊んでください!」と宣伝。公式が二次創作を奨励する〝革命〟を起こした。

 アニメ「邪神ちゃん」は19日から、ドワンゴとのコラボ企画「邪神ちゃんMAD&動画投稿祭」をニコニコで開催する。ユーザーは、「邪神ちゃん」から提供されたアニメ切り抜き素材232件・立ち絵素材15件を使って動画を作成し、期間内に指定のタグをつけて投稿することで参加できる。投稿部門は「邪神ちゃんMAD動画部門」「邪神ちゃん音MAD部門」「邪神ちゃん聖地紹介動画部門」「邪神ちゃんイメージソング部門」の4つ。受賞者にはそれぞれ商品が贈呈される。開催期間は来月11日まで。

 7月にテレビ東京などで放送を開始した「邪神ちゃん」3期は、放送前から、人気バーチャルシンガー・初音ミクが登場すると発表され注目を集めていた。初音ミクの登場シーンを中心に違法切り抜き動画が多数投稿され、550万回以上再生されたものも。製作委員会は対抗して、第3話放送前日の18日、「【違法よりも早い】邪神ちゃん3話初音ミク登場シーン」を投稿。「公式にしかできない」〝秘策〟を用い、再生数で違法動画に初勝利。公式から最速切り抜き動画がアップロードされることで話題となっていた。

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