今年10月28、29日に指される、将棋の第35期竜王戦7番勝負第3局の会場となる静岡県富士宮市が9日、対局者に出される「おやつ」の投票を開始した。
今期の竜王戦は、史上最年少で五冠を達成した藤井聡太竜王の初防衛戦。対局は2日制で行われ、おやつは各日の午前と午後、計4回出される。市制80周年の記念として、初めてタイトル戦を誘致した同市は〝食の街〟を標榜し、2004年からは「フードバレー構想」を掲げているだけに、日本中が注目する一局で市の魅力を猛アピールする狙いだ。
富士宮市役所企画部企画戦略課の担当者はよろず~ニュースの取材に対し「竜王戦は自治体として誘致したので、将棋をやる方にもやらない方も関わっていただきたいという思いから企画しました」と説明。「富士宮といえば『富士宮やきそば』が有名ですが、朝霧高原があって酪農も盛んですので、卵や牛乳も名物でスイーツにも定評があります」とPRした。
藤井竜王が注文するおやつは毎局、評判となり、すぐに売り切れてしまうこともしばしば。担当者は「おやつは毎回注目を集めているので、ぜひこの機会に注目していただければ」と意欲的だ。応募条件は、市内に本店があること、すでに販売している商品であること、少なくとも年内いっぱいは販売を続けること、冷凍品ではないことなど。最終的には洋菓子部門26品と、和菓子部門12品の計38品が寄せられた。
商品は市役所1階の市民ホールに掲示され、来庁者による投票は18日まで、ネット投票は31日まで受け付けており、市民以外でも投票は可能。得票数の多かった和菓子3品程度、洋菓子4品程度を実行委員会が9月15日に実食し、問題がなければ承認の運びとなる。