100均の手袋がエビフライに!? リアルからオリジナリティへ「クレハフーズ」のレトロかわいい食品サンプル

ゆきほ ゆきほ

日本特有の文化である食品サンプル

近年では食品サンプルメーカーはもちろん、多くの人がそれぞれのスタンスで食品サンプルを作るようになっているようだ。

今回、100円ショップで買った材料だけで食品サンプルを制作し、しかもリアルさだけでなくレトロさ、かわいさある作品作りに定評のあるクレハフーズさんにお話を聞いた。

――食品サンプル制作を始められたきっかけを教えてください。

クレハフーズ:進路に迷う高校生の時に自分は食べ物の見た目が好きなんだと気付いたんです。その表現方法として一番近いのが食品サンプルでした。親と担任の先生から大学に行きながら食品サンプルの学校にも通うダブルスクールという方法を提案されて、食品サンプル制作を仕事にすることを目指して大学生活を送ることにしました。

――食品サンプルの学校があるんですね!

クレハフーズ:はい!1年制なので、大学の最後1年間に通ってました。

――クレハフーズさんのサンプルは、リアルさだけでは無いレトロで優しい魅力があると感じますが、作品へのこだわりを教えてください。

クレハフーズ:色味やテクスチャーなどリアルと求めすぎずに”かわいさ”を重視して制作しています。

――同人誌「100均商品だけで商品サンプルを作ってみた」が大好評ですね!

エビフライの衣に、皮むき用手袋を使うなど「これがこうなるんだ!?」という驚きに満ちた1冊になっていますが、なぜ100均縛りで制作しようと思ったんですか?

クレハフーズ:今は一般的な食品サンプルと同じ塩化ビニルを使って制作しているんですが、この冊子は大学4年生の頃、色々な技術を習得する前に食品サンプルを作りたい!と思って、逆に言えば技術を習得した後では作れないようなものに挑戦しようと始めました。

――紙粘土があればできるのではと思ってしまいますが、色々な素材を使うことで面白みが増していますね。

クレハフーズ:紙粘土を巧みに使う作家さんもいらっしゃいますが、私は粘土の技術を高めたいわけでは無かったので極力NGでチャレンジしました。

――アイデアを出すコツは何でしょうか?

クレハフーズ:とにかく100均の売り場を見ることです。何店舗もハシゴしたり、3時間100均を歩いていたことも。素材を見つけるコツは、商品本来の用途は考えず色や質感にフォーカスすることですね。シリコンのケーキ型をハムにする時も、とにかくピンクで色の薄いものを…て感じで探してました(笑)。

――自由研究で作ってみたいお子さんもいらっしゃると思いますが、100均で食品サンプルを作るコツを教えてください!

クレハフーズ:順序としては、まず素材を見つけてからメニューを考えることですね。キーとなる素材が見つかったら、その料理に合わせて他の素材を探していくと作りやすいです。正解がないですし制作中も不安ですが、できた時の達成感はすごいので頑張ってほしいです!

◇ ◇ ◇

昭和30年代から始まった”お客様に分かりやすく美味しさを伝える”産業は、日本国内だけに留まらず、海外でも大人気。リアルさの追求の果てにあるオリジナリティは、文化的デザインツールとして今後も発展していくだろう。

クレハフーズさん関連情報 
Twitter:https://twitter.com/908foods
Instagram:https://www.instagram.com/908foods

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