TOKYO MXなどで放送中のテレビアニメ「リコリス・リコイル」(リコリコ)に登場する試験管に団子が入ったメニュー「団子三兄弟」を再現した作品が、ツイッター上で「おいしそう」「再現度がすごい」と話題を呼んでいる。ツイートを投稿した40代の男性会社員・nekoismさん(@nekoism_net)に話を聞いた。
理科の授業でおなじみの試験管に串団子が詰められている。3本の試験管にはそれぞれずんだ(アニメでは抹茶)、小豆、きなこ味の串団子が。アニメ第2話で初登場し、注目を集めたシーンを再現した。
2017年からインテリア用に試験管立ての製作・販売を行っているnekoismさんは、試験管立てを丸のこ、ボール盤などの電動工具を用い、一般的な木工の工程で製作。試験管、餡(あん)は市販品を使用し、団子は手作り。完成まで1週間を要した。「始めは団子なしで、試験管立てと試験管の器だけで公開しようと思いましたが、せっかくなら団子もということで、急きょ団子も作りました」と説明。団子を試験管にきれいに収めるのが難しかったといい、「大きさを変えて何度か作り直しました。団子自体はかなり小さくなってしまったので、食べごたえはなさそうです」と語った。
「リコリコ」2話を視聴時、団子三兄弟に驚いたというnekoismさん。「普段試験管立てを作っているし、使えそうな試験管を持っているので作ってみよう」と製作に着手。一筋縄ではいかなかったようで「登場シーンごとに微妙に寸法が違う部分があり、どれを基準にするかで悩みました。厳密に絵に合わせると言うより、立体物としてのバランスを優先しています」とこだわりを明かした。
7月31日の投稿後、2日現在までで770以上のリツイート数と2300超の「いいね」を獲得。同作の注目度の高さを実感した。「おいしそう」といった反応が多かった一方で、味に関してのこだわりはあまりないと謙遜したが「ずんだ餡はスーパーマーケット『ヤオコー』のずんだおはぎを使っているので自信があります」と笑った。
5年前にディスプレイ用に使う試験管立てを探した際、実験用ばかりで、インテリア用はなかったという。「ないものは作る」の信条のもと製作を始めた。試験管立ての魅力について「試験管が『器』だとすると、試験管立ては『器の器』というとても遠回りな存在です。とはいえ『器』ですので、使用される方が試験管の中に何かを入れることで完成します。大切なものを引き立てる『器』であることは、食器とか絵画を入れる額と同じだと思っています」と熱弁した。
nekoismさんは、通販サイト「minne」で試験管立てシリーズを販売する他、さまざまなイベントに出店している。「今後も試験管立てを中心に、好き勝手にものづくりをしていきたい。試験管立てを作る人がもう少し増えるといいなと思っています」と語った。