参院選で1議席獲得「参政党」ってどんな党? 神谷宗幣氏に聞く 「反ワクチン政党」との声に反論

杉田 康人 杉田 康人
参政党ポーズを決める神谷宗幣氏=都内の参政党事務所
参政党ポーズを決める神谷宗幣氏=都内の参政党事務所

 2020年に結成された政治団体・参政党が、10日投開票の参院選で国政選挙に初挑戦し、比例代表で176万8349票を集め1議席を獲得。得票率は社民党やNHK党を上回る3.33%で、政党要件を満たした。参政党はどんな政党なのか?党の発起人で、議席を得た副代表兼事務局長の神谷宗幣氏(そうへい、44)が党や参院議員としての展望を語り、ネット上での「反ワクチン政党」などの声に反論した。

 「イチ、ニ、サンセイトー!」神谷氏が三本指を天に突き上げると、党のシンボルカラー・だいだい色のTシャツを着た群衆が呼応した。選挙戦最終日の7月9日、東京・芝公園でのマイク納めには1万1000人を動員。初の国政選挙ながら、街頭演説はどの政党よりも、間違いなく熱を帯びていた。

 晴れて参院議員となった神谷氏だが、喜びはなかった。むしろ、悔しさを口にする。北海道から沖縄までの45選挙区すべてに候補者を立てた。全国比例には神谷氏を含む5人が立候補。1議席を獲得し、神谷氏が当選者となった。

 「6月頭の段階で候補者が50人そろうと分かった段階で、1議席は確定したという自信はあった。いかに複数議席取るかということでいろんな戦略を練ったりとか広告を打ったりしてお金をかけたので、2議席取れなかったことが本当に悔しい。今後の体制作りも議員が2~3人いるってことを想定していろいろ考えていたので。ちょっと思惑が外れて、非常にプレッシャーを感じている。うれしいというのじゃなくて、責任が重いなっていうところ。一回もバンザイとかしてないですよ…」と苦笑した。

 参政党は20年、DIY(Do It Yourself)精神に立ち「投票したい政党がないなら自分たちが作ってみよう」と有志が参集し設立。党員参加型の党をうたう。党員・サポーターの数は9万4000人で、18日間の選挙戦で3万人増えた。公式YouTubeチャンネルの登録者数は20万3000人を数える(16日現在)。

 結成わずか2年で、国政政党に。神谷氏は議席獲得の要因を、党員が参加意識を持っていることを挙げた。「党員さんの質が、他の党とまったく違う。参政党に関しては、みなさんが主体的に関わって自分のことだと思ってやってくれている。そういう組織を作れたっていうことが、一番大きかった。党員の期待さえ我々が裏切らなければ、これからどんどん拡大していきます」と自信を見せた。

 神谷氏は参院選後の記者会見で「政府の発表とかで、国民が一番知りたいと思うことがきちんと開示されていないのではないか。国民が不安に思っていること、それを公開の質問を通じて国民に明らかにしていく」と、参院議員としての抱負を述べた。国民が一番不安に思い、知りたいと思っていることは?と質問すると、神谷氏は「コロナでしょうね」と即答する。

 「コロナで、緊急事態条項が憲法で作られて。PCR検査をやったら陽性者が増えるでしょう。陽性者が増えたら、緊急事態なんだって言っていろんな自由を制限されたり、あとワクチンを強制される…ということを一番強く恐れていると思う。緊急事態条項は本当に、僕らは一番危ないと思っているの」と強調した。

 続けて「戦争に巻き込まれるのを恐れている人もいますよね」と切り出す。「憲法改正したり、国防に力を入れるのは必要なことだけど、やり方を間違えると中国やロシアを刺激することになる。イケイケの保守の人って結構強気なんですよね。自衛隊の防衛力ってそんなに強くないんですよ。自衛隊単独で日本を守れないので。パッとやられると対抗できない。ウクライナと同じことになっちゃうので。あまり強気すぎると敵を挑発することにつながるので、そのへんの塩梅(あんばい)を上手に考えていかないと」と語る。

 陸上自衛隊の予備自衛官だった神谷氏は「戦争になってはいけないし、やるなら負けてはいけない。本当に国を守りたいだけなんで。イデオロギーで言っているわけではない。とにかく日本人を戦禍に巻き込みたくないし、日本という国がもう二度と戦争で敗れるということはしたくない」と言葉に力を込めた。

 参政党はネット上で「反ワクチン政党」「オーガニック右翼」などと呼ばれることも。神谷氏は、それらの声に反論する。「ワクチンは、大人は自分で判断してねということです。自己判断で。打ちたくないと思っている人には強制しないでねということと…子どもは重篤化しないので打つ必要なし。子どもには打たせるな、ですね」と語気を強める。

 党代表で元衆院議員の松田学氏(64)らが、コロナ禍の当初から専門家の意見を聞き研究してきたといい「選挙の票を取るために言ってきたわけではない。ワクチンを打って、後遺症が出た方にも実際会ってきた。僕らは反ワクチンって言ってるんじゃなくて、個人の自由を担保してくれと。被害があったら補償してくれと言っているわけで、別にワクチンを全部打つなとか、そういうことじゃない」と説明した。

 参政党が重点政策に挙げる「食の安全」の主張が「オーガニック信仰」などとされることにも言及した。「食品添加物や農薬とかの使用基準を、欧米並みに合わせてくれと。国の基準が緩すぎます、日本は。なぜ先進国や他の国と合わせないのか。今のままだったら残飯処理で、他の国で使えなくなったものが全部日本に回ってきちゃうから、国民の健康を守れてないでしょと言っているだけ」と指摘する。

 「米は作れるわけじゃないですか。小麦は自給率が高くないので、小麦を食べるなって言っているわけじゃなくて、作れる米を食べることによって、食糧自給率を上げるのと、農家の所得補償をしましょうねと言っているだけで。オーガニック右翼でも何でも無いわけですよね」と問いかけた。

 参政党は来年春の統一地方選で、候補者を全国に擁立する意向だ。臨時国会の召集に加え、9月には沖縄統一選も控える。神谷氏の動きは止まらない。「バックも何もないのでタブーなく、炎上狙いとかはダメですけど、党員が本当にこういうことを聞いて欲しいということであれば、社会の空気を読むんじゃなくて、ダイレクトに直球で聞いていけるような政党にしたい」と意気込みを語った。

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