てるてる坊主やピラミッドも!映えてエモくて奥深い「想いを込めた」お墓の世界

田中 靖 田中 靖
(第11回大賞)釣り好きだった「とと」のために
(第11回大賞)釣り好きだった「とと」のために

 誰もがいつか、死ぬ。

 永遠の眠りにつく場所はどこなのか。葬送の多様化で樹木葬や納骨堂などの需要が増える昨今。一方で、故人の遺志や親族の〝想い〟を込めたお墓が今も大切にされている。

 お墓といえば、四角い石を積み上げたもの(和型)というのが一般的だ。しかし、技術と気持ちをいっぱいに込めたユニークなお墓の世界がある。カワイイてるてる坊主やピラミッド、チェッカーフラッグに富士山、書家だった故人の作品を刻んだ石。千差万別、十人十色。眠る魂の数だけ思い出がある。

 そんな個性的なお墓を集めた「想いを込めたお墓づくりコンテスト」を主催する一般社団法人・全国優良石材店の会(全優石)の吉田岳会長(58)は、「お墓の形状に決まりはありません。自分の考え方や価値観を投影した自分らしいお墓、大切な方をしのぶのにふさわしいお墓、お墓に入るのが待ち遠しくなるようなお墓づくりがあることを知っていただくことで、より心のこもったご供養、よりご家族がハッピーになれるお墓づくりが少しでも増えれば」と話す。

 樹木葬を始めとして、散骨、手元供養、宇宙葬、AI墓石など葬送の多様化により、お墓自体の総建立数が減少傾向の中、建立者を対象にみると、「伝統的なお墓より個性的なお墓を建てる比率の高まりを感じる」という。

 費用に関しては「50万円くらいのお墓もあれば、1000万円を超えるものもある」そうだが、大切なのは費用や大きさではなく「どれだけ心を込められるか」だと力説する。

 それだけに、建立する際の注意点は「信頼できる石材店選び、これにつきます」と語る。石材店はお墓を売ったら終わり、ではない。建立後も世代を超えて供養の手伝いをする「墓守(はかもり)」の役割を担う。一般的なお墓建立でも、ネットなどで〝悪質な〟業者を選んでしまったがゆえに「1年で墓石が割れた」「後から高額だったことを知った」といったトラブル・クレームの相談が毎年1000件を超えるという。これでは「心を込める」どころか「心を痛める」ばかりだ。

 家族の悲しみを癒す、ご先祖様に感謝する特別な場所。そこに「想い」を込めたユニークな墓石が立つ。「映えて」「エモい」近代的な作品の数々だが、大切な人を思う心は昔も今も変わらない。

 全優石の「第31回想いを込めたお墓づくりコンテスト」は5月31日まで応募を受け付けている。入賞作の発表は7月中旬以降の予定。

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