10日の参院選で、1議席を獲得した参政党が15日、都内で会見を開いた。比例代表で当選した神谷宗幣氏(44)と、同日付で党代表に就任した松田学氏(64)、東京選挙区から立候補した河西泉緒(みお)氏(41)が出席。河西氏は「夜回り先生」の名で知られる教育評論家・水谷修氏(66)から名誉毀損で提訴されるとの一部報道について釈明した。
2004年9月に神奈川県内で強制わいせつ被害に遭った河西氏は「街頭演説をした時にいろいろ話したんですけど、自称有名夜回り先生という方に、わいせつ行為を受けたという過去があります。その話をして、その後なんで寺に入ったのかという話までつなぐ時にそのお話をさせていただいたんですけど、(発言の)一部だけが切り取られてしまいました」と経緯を説明。水谷氏を指すものではなく、逮捕されたのも別人として「いろいろな方にご迷惑をかけて申し訳ございません」と謝罪した。
街頭演説をともにした神谷氏は「私も一瞬、水谷氏のことを思い浮かべたが、全然違う人物のことをおっしゃっていることがすぐ分かった。変に名前を出すと逆に名誉が傷つくんじゃないかと思ったので打ち消すことはなかったが、一部を切り取って『これは水谷さんのことなんだ』と(動画で)流した方がいらっしゃる」と弁明した。
神谷氏は水谷氏に電話し、名誉を傷つける意図がなかったことを伝えたが「とりつく島がなかった」と明かした。「誤解を生むような表現があれば謝罪しますし、名誉回復に対して参政党もやれることはないですかとお聞きしたんですけれども、訴訟ありきだと。『一切そういうつもりはない』ということをお伝えするんですけども『受け付けられない』と」との反応だったという。
水谷氏は、自身のブログを通じて「河西泉緒さんという今回の参議院選挙に、東京選挙区から立候補した候補が、街頭演説で、かつて夜回り先生に襲われたと話したことに関する記事です。当然、そのような事実はありません」とした。続けて「正式に裁判所に告訴し、記者会見を行った後、ここに詳しい内容や、事実関係、そして私の思いを書かせていただきます」などとしている。
神谷氏は「彼女は犯行をした男性が『自分は有名な夜回り先生だ』と言って近寄って来たということを言いたかったが、切り取られてしまった。切り取られた動画は我々が流したものではない。党としては、意図的に特定の方をおとしめる目的でそんなことをしたわけではないということを明確にさせていただきながらも、ご迷惑が及んだということであれば誤解を招きかねないということで、党としてはおわびしたいと思っている」とした。