参院選が10日、投開票され、東京選挙区(改選6)に自民党公認で立候補した元アイドルグループ・おニャン子クラブのメンバーでタレントの生稲晃子氏(54)の当選が確実になった。
おニャン子クラブ初の国政進出。当確の瞬間、都内の事務所は支持者から大歓声がわき上がり、喜びにあふれた。4月6日の出馬会見で、生稲氏は「おニャン子クラブという名前を汚さないように、メンバーやファンの皆様にも応援していただいて、頑張って当選したいと思っている」と決意を述べていた。
生稲氏は1986年(昭和61)、おニャン子クラブの会員番号40番としてデビュー。グループは87年9月に解散し、わずか1年3カ月間ほどの在籍だったが、幅広い世代が「おニャン子」を知る。「お年を召した方から若い人まで、名前だけは知って下さっている。伝説だと言ってくださる人もいる」と振り返る。
2度の乳がん闘病体験や子育て経験をもとに、政府の「働き方改革実現会議」の民間メンバーにもなったが、周囲からは〝生稲にできるのか〟と、タレントや元おニャン子メンバーであることをやゆする声もあった。
「おニャン子クラブという名前を否定されるのは、とてもつらい。自分というものを生んでくれたおニャン子クラブを、誇りに思っている。一生懸命、皆さんが作り上げて、大スターまで上り詰めたグループ。名前を否定されるのは、本当におニャン子クラブに申し訳ない」。〝元・おニャン子〟の名にかけて、激戦の東京選挙区を勝ち抜いて見せた。
参院選公示日となった6月22日。東京・有楽町での第一声には、8日に奈良市で凶弾に倒れた安倍晋三元首相が駆けつけていた。「演説が苦手なんです」と漏らす生稲氏を、安倍氏は「大丈夫、慣れるから」と励ましたという。ラストとなった9日の街頭演説では「安倍先生が思い描いていた日本を引き継がないといけない。そのためには負けるわけにはいかない」と声を枯らした。