元K―1戦士ノブ・ハヤシ キーウ市長のクリチコ氏を後方支援 ウクライナ人格闘家の日本受け入れも

杉田 康人 杉田 康人
ノブ・ハヤシ
ノブ・ハヤシ

 元K―1戦士で、ドージョーチャクリキ・ジャパン館長のノブ・ハヤシ(44)が27日、都内で「チャクリキ夜話 チャクリキ・シネクラブ」に出演。ボクシング元WBC、WBO世界ヘビー級王者で、ウクライナの首都・キーウ市長のビタリ・クリチコ氏(50)と拳を合わせたことがあるハヤシは「気持ちだけしかできないが、こんな状況だけども助けたい気持ちがある」とし、ウクライナ人格闘家の日本受け入れなどで後方支援する意思を示した。

 3月に、クリチコ氏やキーウ市民の無事を祈る緊急メッセージを発したハヤシ。クリチコ氏との連絡を試みたものの「コンタクトが取れていないし、情報が入ってこない。ロシア軍がキーウに総攻撃をかけるんじゃないかという話もあり、心配な部分もある。それで命を落としてしまうなんてすごい嫌やな」と不安は増すばかりだ。

 ハヤシは1998年、単身オランダに渡り、ドージョーチャクリキ住み込みの新弟子として格闘家生活をスタートした。当時、キックボクサーだったクリチコ氏ともスパーリング。ウクライナや周辺国の選手も多く出げいこにやってきて、寝食をともにした。「ロシア人、ウクライナ人、ともに接することが多かった。そんな近くにいた選手が…。本当に心配になる」と振り返る。

 PRIDEマットなどで活躍したイゴール・ボブチャンチン(48)は、ウクライナ国内で物資などを運んでいるという。多くの選手が、戦禍にさらされている。「格闘技が盛んな国なので有名、無名関係なくキックとか空手とかやっている人が多い。そんな人たちが戦争で、好きなことができなくなるという状況が本当に嫌」と胸を痛めた。

 日本の格闘家としては、異例のメッセージだった。2009年には急性骨髄性白血病を発症。何度も生死の境をさまよい、命の重みは誰よりも痛感している。「僕が言ったところで、何もないと思う。でも、一回でも肌を合わせた、拳を合わせたという人が過酷な状況にいるというのは、気持ち的は居ても立ってもいられない。ちょっとでも伝えられれば」。欧州の格闘家などとも連帯して、クリチコ氏やウクライナの格闘家をバックアップしていく。

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