韓国南東部・慶州(キョンジュ)市に住むソフトウェアエンジニアのジュン・キユンさんがこのほど、とてもユニークな墓石の制作を依頼した。"亡くなった"のはジュンさんの家族や親戚ではなかった。墓石には、先日サービスの終了が発表された、米マイクロソフトのインターネットブラウザ「インターネットエクスプローラー(IE)」の名前が刻まれた。
ジュンさんによると、制作にはおよそ1カ月、費用は4万円ほどかかった。「1カ月ほど前にIE終了のニュースを聞いてから、これで人を笑わせられたらいいなと思って準備した」という。
1995年に発売されたIEは、マイクロソフト社の基本ソフト(OS)として「ウィンドウズ95」に搭載されるなど、10年以上にわたり世界で最も利用者の多いブラウザの1つだった。だが、2000年代後半からはグーグルの「クローム(chrome」に押され気味になり、他製品に比べて動作が重いとの指摘を受けていた。日本時間6月16日午前でサポートは終了し、27年の歴史に幕が下りた。
ツイッターなどでIEを惜しむ声とねぎらいの言葉が世界中で投稿され、話題となった。ジュン氏は「IEには歴史的な意義と大きな役割があった。私にとって愛憎半ばする存在だった」とも語っている。