スコセッシ監督、撮影中に急逝の名優しのぶ 最愛の母親も瀕死状態だった

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マーティン・スコセッシ監督
マーティン・スコセッシ監督

 マーティン・スコセッシ監督(79)が、先月末に映画『デンジャラス・ウォーターズ』のドミニカ共和国での撮影中に亡くなった亡くなった俳優のレイ・リオッタを偲んだ。スコセッシ監督の『グッドフェローズ』(1990年)で一躍有名になったレイは、同作の撮影中、瀕死の母親に会いに行く前に撮了することに固執していたという。

 スコセッシ監督は6日、『グッドフェローズ』はレイの母親のマーティー・リオッタさんががんの診断を受けた中での撮影だったことを明かし、ガーディアン紙に寄稿された論説の中でこう書いている。

 「私は、母親のところへ行けと言ったのですが、彼は行く前にシーンの撮影を終わらせると断固として拒みました。一緒に現場へ行って皆に事情を説明したのですが、撮影が始まるととんでもない事が起こったのです」

 「それは、初めて大金を手にした仲間たちが大喜びし、皆がレイを中心に感情的な絆で結ばれるシーンで、笑いながら祝うと一方でレイと一緒に嘆き、笑いと涙が一体となっていました。レイは最高の芝居をし、最愛の母のもとへ去って行きました。貴重な体験でした」

 悪い知らせが入ったのは、トミー(ジョー・ペシ)、ジミー(ロバート・デ・ニーロ)と、ヘンリー(レイ)が共演するシーンを撮影していた日で、スコセッシ監督はその時の事を決して忘れないとこう綴っている。

 「知らせが入ってすぐに彼のトレーラーに行くと、彼はすっかり取り乱しており『彼女は僕を養子にし、なぜこんな酷いがんになってしまったんだ?なぜなんだ?』と言い続けていたのを覚えています」

 「もう一度だけ彼に会う機会があれば良かったです。一緒にやった仕事が僕にとってどれだけ意味があったかを彼に伝えるために。でも、彼はそれを知っていたかもしれません。そう願います」

 1954年にニュージャージー州ニューアークで生れたレイは、孤児院に置き去りにされた後、生後6カ月でマーティとアルフレッド・リオッタ夫妻に養子として迎えられている。

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