新潟の展示作品破損事件で作者が当該中学生に理解示す「誰でも若いうちは失敗」 子ども取り巻く閉塞感も指摘

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
写真はイメージです(kai/stock.adobe.com)
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 新潟県十日町市で開催中の展覧会「越後妻有2022大地の芸術祭」に展示されていた作品が、新潟市から修学旅行で訪れた中学生によって損壊されたことを受け、当該作品を制作したアーティストのクワクボリョウタ氏が9日、自身の公式ツイッターを更新。破損したとされる中学生に理解を示した。

 クワクボ氏はこの日「作品の破損に関してのコメント」と題した文書をツイッターに掲載。冒頭で「まず、このような状況に僕が平気でいられるのは、多くの人が作品を愛してくれていることを知ったからです。支えてくれている皆さんに感謝しています」と現在の思いをつづった。

 その上で、「暗い展示室で何が起こったのか、どうして生徒たちがこんなことをするようになったのか、自分はまだすべてを理解しているわけではありません」と考察しつつ、「まだ中学生ですから、これからの発言や対応には注意深くありたいと思っています。考えてみれば、誰でも若いうちはちょっとした失敗をするもので、今回結果だけ見れば一線を越えていたかもしれませんが、それでも誰かに怪我を負わせたわけではありません」と、中学生の行動に対して理解を示した。

 さらに「確かに作品は完全に破壊されましたが、物は物です」と〝達観〟を思わせるコメントも。「作者はまだ生きていて、作品を修復する気力も体力もあります」と前向きにつづり、「それよりも重要なのは、生徒たちが内なる不満や怒りや欲望をさまざまな違った形で表現できるように支えることです」と、子どもを取り巻く閉塞感を問題視した。

 十日町市によると、4月21日午前、新潟市から修学旅行で訪れた中学生が、クワクボ氏が制作した「LOST#6」と、カールステン・ニコライ氏が制作した「WellenwanneLFO」を損壊したという。「LOST#6」は踏み荒らされており、再現不可能のため公開停止となっていた。

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