人気武人画師・こうじょう雅之 脱サラ10周年に感慨 プロ野球、ガンダム、長渕剛らとコラボ

山本 鋼平 山本 鋼平
こうじょう雅之「平将門公」=2021年
こうじょう雅之「平将門公」=2021年

 武人画師・こうじょう雅之氏(43)の活動10周年を記念した特別展「平将門公と武士、志士、漢たち」が4日、東京・神田明神で開幕した。34歳で脱サラし、人気画師に成長した10年。周囲への感謝とともに、学生を対象にしたライブアート大会を立ち上げる夢を語った。

 戦国時代や三国志に登場する武人たちを墨で力強く描く。大胆で繊細な、日本人になじみ深いマンガ的な構図が人気を集める。プロ野球の広島カープや読売ジャイアンツ、スター・ウォーズや機動戦士ガンダム、ウルトラマンやキン肉マン、北斗の拳に長渕剛まで多種多様なコラボ武人画でも知られる。新型コロナの濃厚接触者となったため、急きょ会場には姿を見せられなかったが、ビデオメッセージで「10年前の34歳で脱サラをして、画業10周年を迎えることが出来ました。何度も心が折れそうになり、辞めようと思った時も、たくさんの仲間から力を、応援を、支援をいただいた。自分一人では10周年を迎えることはなかった。家族が僕の夢を信じ、支え続けてくれたことが一番大きな原動力でした。10年で出会ったさまざまな業種の方々、これから出会うであろう仲間とともに、これからの10年に向けて、挑戦を続けていきたい」と感謝と決意を語った。

 会場では今年5月8日に神田明神の境内で実施したライブアートの模様も放映された。太鼓等の音楽に合わせ、ゼロから即興で武人画を仕上げる。「10周年記念特別展を神田明神で開催できることに大きな喜びを感じています。境内でのライブアートなど、回を重ねる度に自分の中で親しみ、縁を感じています。平将門公をたくさん描き奉納させていただきました」と、今開催の喜びを口にした。特別展では淺野健一、木村了子、長浜めぐみらの現代作家、歌川国芳や養雪に永島孟斎ら江戸期以降の画家らの作品ともに、武人画が展示される。

 こうじょう氏の活動拠点は出身地の京都府宇治市。管理職だったサラリーマン時代の2011年末、日清カップヌードルのテレビCMで、「バガボンド」「スラムダンク」の漫画家・井上雄彦氏が「宮本武蔵」のライブアートを描く姿に憧れ、翌年に退職し、絵描きの道を歩き始めた。14年より「武人」を戦う者ではなく〝覚悟を持った者〟として捉え、その者の持つ覚悟を武人画として描く方針を掲げて以降、人気が高まりコラボ企画の依頼が続くようになった。

 後進の育成を目標に掲げ続ける。「3年後には自分の最大の目的である『LIVE ART甲子園』、学生のライブアートの大会を小さくても開催することを目標に挑戦していきたい」と改めて誓った。会期は7月10日まで。神田神社が公認し、大日本印刷がネット上で手掛ける「神田明神CG空間」でも特別展の一部が公開されている。

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