楽曲無断使用問題告白から1年 シンガー・ソングライターしほりが「勝訴」を報告も謝罪なく刑事告訴へ

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
シンガー・ソングライターとして活動しているしほり
シンガー・ソングライターとして活動しているしほり

 楽曲提供をしたアイドルグループの運営会社とのトラブルを昨年6月に公表したシンガー・ソングライターのしほりが3日、自身のツイッターを更新。5月6日に東京地方裁判所から〝勝訴判決〟を言い渡されたことを報告した。

 2020年4月、アイドルグループ「青空のプラネタリウム」の運営側に楽曲提供のコンペ参加を依頼された。約70作品の中から自身の曲が選ばれ、同年5月にレコーディングは終了。しかしその後、著作権交渉がうやむやにされ、運営側と音信不通になったという。そのまま報酬も支払われず、21年3月31日、提供した楽曲の「アステリズム!」が他作家名義で配信された。しほりは「【マジで怒っています】」とツイートし怒りをあらわに。各方面に相談し、対応を協議していた。

 この日、添付された画像の文書には「この度、レイ法律事務所の佐藤大和弁護士、舟橋和宏弁護士を訴訟代理人として、Ready株式会社、MILENIA株式会社および両社の代表である井上郁磨氏を被告として、東京地方裁判所に対し、訴訟を提起したところ、同裁判所は、こちらの主張を全面的に認め、勝訴判決を言い渡し、同判決は、令和4年5月6日確定いたしました」と記載された。

 また、「青空のプラネタリウム」は該当楽曲をリリースする直前、所属会社名を「Ready株式会社」から「MILENIA株式会社」に変更。裁判決定のタイミングで突如活動休止し、今年5月1日よりグループ名を「NSTARE」と改名した上で活動を再開していることを明かした。

 続けて、「今回の勝訴判決では、Ready株式会社、MILENIA株式会社および井上郁磨氏に対し、著作人格権(公表権・氏名表示権)を侵害したとして、損害賠償責任が認められ、また、著作権法112条第一項に基づき、当該楽曲利用等の差し止め、名誉回復措置として公式webサイトでの謝罪掲載などが裁判所より決定されました」とつづられている。昨年問題が明るみになって以降も、両会社および井上郁磨氏は、制作会社からの再三の協議要請、連絡に適切な回答をせず、現在まで完全沈黙したままだという。「未だに当該該当楽曲を他人作家名義にて公表し続けているなど、誠実な対応が一切見られずに、勝訴判決が確定となりました」と説明した。

 シンガー・ソングライターとして、水樹奈々、ももいろクローバーZなどへの楽曲提供も行っているしほり。文書では「今回、本件によって、音楽業界や各クリエイティブな業界を取り巻く搾取問題に対して、日本の社会も司法も許さない、という健全な規範を打ち立てる為の足がかりになることを願って、訴訟提起を決意いたしました」と動機が明かされている。

 今後は、これまでの経緯、態度を鑑みた上で、弁護士と共に刑事告訴の準備中だという。「当該グループや当該会社に所属して居るメンバーの心身の安全を第一に考え、皆様に於かれましては、これまで同様に、当該会社、グループおよび所属メンバーへの誹謗中傷、過度な連絡・嫌がらせなどは決して行わないようにご配慮いただけますと幸いです」と呼びかけた。

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