独学で作り出した絶品クッキーをウェブショップで販売し生計を立てる24歳の女性がSNS上で大きな注目を集めている。
件の女性というのはクッキーショップ「VIOLETTA」を営むすみれさん(@smr_patissier)。実店舗はなく、ウェブショップとたまにあるイベント出店のみ。製造から販売まで一人手がけるミニマムなお店だが、最近では用意した初回分がわずか1分で売り切れ、追加200缶も5分で売り切れる大人気だそう。
「1人でクッキー作って生計立ててる24歳です!!!
もっとたくさんの方に知ってほしいので拡散してくれたら嬉しいです!!よろしくお願いします!!」
日々、SNS上で元気いっぱいにクッキーをPRするすみれさんに対し、ファンからは
「もう売り切れでした…次の機会を楽しみにしてます」
「また、クッキー食べたいです!!」
といった熱い応援の声が多く寄せられている。
すみれさんはなぜ独学でクッキー店を開店するに至ったのだろうか。お話を聞いた。
野中比喩(以下「野中」):すみれさんがお菓子づくりに目覚めたきっかけは?
すみれ:小さい頃からお菓子のレシピ本の写真を見るのが好きで、気に入った写真のレシピをお気に入りのノートに書き写していました。中学生の頃から妹2人の誕生日ケーキを作るようになり、そこから徐々に作るペースが増えていった気がします。
完全にお菓子作りにハマったのは高校生の頃です。授業中も机の下でお菓子のレシピを見たり、週末何作ろうかなって考えてました。これは母には言ったことないのでバレたら怒られますね…(笑)。
野中:もう時効ですね(笑)。独学で開業されようと思ったきっかけやご苦労されたことについてお聞かせ下さい。
すみれ:正確には西洋料理の専門学校で1年料理の勉強をし、卒業後に個人店で半年、ホテルで5ヶ月パティシエをしていました。ですが、ホテルで働いていた頃に体力的についていけず、お菓子作りも嫌いになって辞めてしまいました。その時点ではもう絶対にパティシエはしないって決めていたんです。
野中:有名なホテルなどは厳しそうですね。体力も才能も優れていないと難しいと聞いたことがあります。
すみれ:その後はイタリア料理店とコーヒーショップでアルバイトを掛け持ちして、他にやりたいことを探しながら生活していました。そんなある日、出勤中にエスカレーターで立ちくらみでこけて、膝の靭帯が断裂してしまって…。手術をしなければならず、しばらく一人暮らしができなくなって実家に戻ってきたんです。
もちろん仕事もできない状況だったので、座ってできる事務の求人や、在宅ワークを探したりしていたのですが見つからず…。ある程度長時間立てるようになった頃にお菓子作りを再開してみたところ、再びハマってしまって、パティシエとして再就職するつもりは全くなかったので、独学でやろうと決めました。
野中:身体の故障が独立に繋がったんですね。好きだった物をまた好きと気付けたのは素敵ですね。
すみれ:ですが、何もかもわからない状況の中でやるので不安なことは本当に多いです。インターネットでは色々な情報がありますが、情報量が多すぎて正しい情報を探すのが大変だなと思っています。行き詰った時は周りのお菓子屋さんに聞いて助けてもらっています。
野中:助けてくれる仲間がいらっしゃることもすみれさんの力ですね。お菓子づくりへのこだわりをお聞かせください。
すみれ:シンプルだけどかわいいって思ってもらえるようなお菓子作りを目指しています。
野中:お仕事する上で嬉しかったエピソードは?
すみれ:作っている時はひたすら自分の子たちがかわいいです(笑)。自分が好きなように作れるのは本当に楽しいですね。
またレビューで嬉しいお声をいただいたり、お菓子の写真をSNSで上げてくださったり、直接私にDMをくださったり、感想のお手紙をいただいたり、次の販売が待ち遠しいですと言ってくださったり…嬉しいことは本当に沢山あります!あとリピートしてくださる方が多くて、それもとっても嬉しいです。
野中:今後の目標はありますか?
すみれ:自分自身の知名度を上げて、もっと幅広く活動していけたらなと思っています。年内の目標はなかなか始められずにいるYouTubeを始めることです。今はクッキーのオンライン販売のみですが、いつかケーキも出せるカフェを開くのが目標です。
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取材していて私も彼女のクッキーが食べてみたくなった。今後のすみれさんの活動から目が離せない。
すみれさん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/smr_patissier
Instagramアカウント:https://www.instagram.com/smr0301_/
cookie shop「VIOLETTA」:https://lebouquet.base.shop