「スター・ウォーズ」シリーズに登場する数々の乗り物のデザインを手掛けたアーティスト、コリン・キャントウェル氏が死去した。90歳だった。21日にコロラド州の自宅で息を引き取ったことを長年のパートナーであったシエラ・ドールさんがハリウッド・レポーターに明らかにしたかたちだ。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校でアニメーションを専攻したキャントウェル氏は、卒業後はフランク・ロイド・ライトの建築学校で建築を学んだ。アイコニックなデス・スターを始めXウィング、タイファイター、ランドスピーダーといった「スター・ウォーズ」シリーズに登場する乗り物をデザインしたことで知られているキャントウェルは、NASAのジェット・プロパルション・ラボラトリーで教育映画などを製作した後、自らが愛する宇宙と建築を合わせるべく映画の世界に入り、故スタンリー・キューブリック監督と友情を築いたことから、同監督の1968年作「2001年宇宙の旅」の仕事を手に入れることになる。
同作のオープニング「人類の夜明け」に続くドラマティックな宇宙シーンを創作したのはキャントウェル氏で、「私はスタンリー・キューブリックと密接に仕事をしており、映画を20分間の会議シーンで始めないように説得したんです」と以前振り返っていた。
また生前、キャントウェル氏は「スター・ウォーズ」のXウィングをイギリスのパブでの遊びとして知られるダーツからヒントを得てデザインしたことや、「スター・ウォーズ/エピソード4 新たなる希望」に登場するデス・スターの中央に走る溝は、当初は予定していなかったもの型を作っている時に両半分が縮んだことで溝が出来てしまったことから、監督のジョージ・ルーカスと相談した上でそれをそのまま採用することにしたことを明かしていた。
キャントウェル氏はまた、SF小説を2作執筆したほか、「ウォー・ゲーム」「未知との遭遇」の製作にも携わっていた。