仕事のストレス値半減!保護犬と触れ合いながらリモートワークができるサービスが六本木に登場

大原 絵理香 大原 絵理香

 「保護犬に新しい生き方を、あなたにカラフルな毎日を」をコンセプトにしている保護犬の犬材派遣会社・株式会社Buddiesが、毎週木曜と金曜の12時から18時まで、BLINK六本木で保護犬と触れ合いながらリモートワークができるサブスクリプションサービス「ポーワーキング」の提供を開始した。

 利用料金は、サブスクリプション形式の月額4500円(税込)と、1時間1000円(税込)から単発利用できるドロップインメニューの2コース。

 利用者の多くは、オンライン打ち合わせの合間や作業に煮詰まったときにすぐ近くにいる保護犬と触れ合いリフレッシュをし、また仕事に戻るなどの使い方をしている。実際、利用者を唾液アミラーゼによる検査でのストレス値を見ると、犬との触れ合い後は約半分に低下するなど、生産性の向上やストレス低減などといったアニマルセラピー効果は科学的に認められているという。

 今回は、犬のいるシェアオフィスでリモートワークという、新しいサービスを行う株式会社Buddiesの代表取締役社長である、寺田かなえさんに「ポーワーキング」で話を聞いた。

ーー株式会社Buddiesの事業内容を教えてください。

寺田かなえさん(以下、寺田):行き場のない保護犬を引き取り、ケアやトレーニングをした上で、犬好きの人や施設のもとへと派遣する、保護犬の”犬材派遣”事業を行っています。過去、オフィスや施設に保護犬を派遣し、”犬材派遣”のサービスを行った利用者からは、ストレス値が半減したデータが取得できたり、社員同士の新たなコミュニケーションが生まれた、というお声をいただいています。

ーー人間にとってはとてもいいサービスだと思うのですが、犬たちにとってはどうなのでしょうか?

寺田:保護犬たちも、人とのふれあい後にストレス値が低下することは確認されています。わたし自身獣医師として、犬の心身の健康状態には最大限に配慮しています。

ーー犬たちにとってもいいサービスなんですね!

寺田:はい。ストレス低減だけでなく、このサービスを通して、保護犬たちは社会化の練習ができ、保護動物そのものの認知度やイメージも改善することができると考えています。人間が保護犬を助けてあげる、あるいは犬が人間に使役するという一方的な構造ではなく、お互いが助け合ってwin-winな関係性を構築していくことが、このサービスのポイントです。

 ーー以前から派遣サービスも行っていたとのことですが、保護犬とふれあいながら、リモートワークに関するサービスを作った経緯をお伺いさせてください。

寺田:新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークが主流になり、オフィスや施設の立ち入り制限なども出てきたので、新たな場所として、リモートワーカーが集まる場所でサービスを提供することが現状のベストであるという考えからです。

ーー「ポーワーキング」 の魅力と、実際利用者からの声を教えてください。

利用者の方からは、おうちで犬を飼えない状況でも、日常的に犬とふれあうことができ、それが保護犬支援につながることが嬉しいというお声や、また、保護犬のなかでシャイな子が、通ううちに自分にしっぽを振ってくれるようになった、という推し活のようなお声もいただいています。また、リモートワークではトイレ以外に立ち上がることがないけれども「ポーワーキング」では犬と室内で遊んだり散歩をしたりすることで健康的にもなれるという方が多いです。

 ーーインタビュー中、様子を見に来てくれたり、触られに来てくれていますが、現在、「ポーワーキング」 にいる保護犬たちを紹介いただきたいです。

寺田:いまいるのは、Bee、Kuma、Tobyの3匹です。一応、BeeにはCED(チーフ・エグゼクティブ・ドッグ)KumaにはCOD(チーフ・オペレーティング・ドッグ)、TobyにはCXD(チーフ・エクスペリエンス・ドッグ)という役職もあったりします(笑)。Kumaは、利用者の様子を定期的に見回りしてくれて、場をまわしてくれる=オペレーティングをしてくれているんです。

Beeは、保護当初はとても怖がりで、おしっこを漏らしてしまうことも多々ありました。 でも、いまは甘えん坊で人が大好き。 3回会うと心を開き、大はしゃぎします。

Kumaは、元野犬で、見た目もオオカミのようにワイルドですが、実はこの3匹のなかで一番のアイドル気質の人たらし。初対面でも、久々の再会のテンションで向かってきてくれます。

Tobyは、子どもからお年寄りまでやさしくて、お散歩中もみんなに紳士的に挨拶をしています。人懐っこいですがマイペースでお昼寝が大好きなので、ハイテンションのTobyが見れた人はラッキーです!また、このスタッフ犬の他にも、譲渡犬が順次出入りすることもあります。

 ーーありがとうございます。今日はKumaがインタビュー中ずっと見守ってくれていて、すごくかわいかったです!最後に、今後株式会社Buddiesとして考えていることや、目指していることを教えてください。

寺田:犬だけのメリット、人だけのメリットに偏ることなく、人・動物・環境、三者の健康は全て相互に作用しているという概念「One Health」の実現を目指し、この「ポーワーキング」だけでなく、人々の日常に保護犬との様々なタッチポイントを作ることを目指しています。今後も引き続き、保護犬たちとのふれあいを通した、企業向けのメンタルケアプログラムなども企画中です。

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