同僚に離婚を打ち明けられた!返答に困ったとき時の便利な言葉 根掘り葉掘り、説教モードはやめよう

石原 壮一郎 石原 壮一郎
写真はイメージです
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 仲のよい人との会話の中で「離婚」したことを打ち明けられた時、あなたならどうする?繊細な配慮が必要となる話題だけに、そのやり取りには気を遣うことになる。「大人研究」のパイオニアにして第一人者、『大人養成講座』『大人力検定』など多くの著書を世に送り出してきたコラムニストの石原壮一郎氏が「大人の切り返し講座~ピンチを救う逆転フレーズ~」と題し、その対処法をお伝えする。

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【今回のピンチ】

 よく飲みに行っていた同僚と、久しぶりに一杯。何の気なしに「奥さんは元気?」と尋ねたら、沈んだ表情で「いやあ、去年離婚しちゃったんだよ」と……。

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 仲のいい同僚と居酒屋へ。数年前まではよく飲みに行っていましたが、それぞれ部署が変わったり、コロナで自粛してたりで、ゆっくり話すのは久しぶりです。

 お互いの結婚披露宴に出席し合っていることもあり、何の気なしに「奥さんは元気?」と尋ねました。ところが、急に沈んだ表情になって、「いやあ、去年離婚しちゃったんだよ」という言葉が……。さて、どうリアクションしたものか。

 衝撃のニュースを聞いて好奇心が湧き出てきますが、いったんはそれを抑え込むことが大切。「原因は何だったの?」「子どもの親権は?」などと、いきなり根掘り葉掘り尋ねるのはあまりにも無神経です。

 まずは「そうだったのか。それは大変だったね」とねぎらいの言葉をかけてあげましょう。たぶん、こちらから聞かなくても、相手は少しずつ事情を話し始めます。いっこうに話そうとしない場合は、よっぽどナイーブな問題があったのでしょう。さっさと話題を変えるのが大人の思いやりです。

 相手がポツリポツリと離婚のいきさつを話し始めた場合も、気を抜くことはできません。やってしまいがちだけど厳禁なのは、「それはお前のわがままよ」「なんでそんなこと言っちゃったんだよ」などと説教モードになること。今さら悪かった点を指摘しても、傷口に塩を塗り込むことにしかなりません。

 逆に、相手が怒りの口調で元妻の悪口を延々と並べ立てたとしても、調子を合わせて「なんてひどい女だ」と非難するのは迂闊(うかつ)。ムッとするのは確実だし、「お前に言われる筋合いはない!」とケンカになる可能性も大です。ここも「そうだったのか、それは大変だったね」で乗り切りましょう。

 いきさつはどうあれ、相手はそれなりに落ち込んでいるはず。昔から「きっとまた、いい相手が見つかるよ」と言ってあげるのが慰め方の定番ですが、その同僚の不倫が離婚の原因だった場合には使えません。

 マイナスのイメージが強い経験を強引にプラスに変えてしまうには、「大人の階段をひとつ上ったわけだね」という言葉が便利。貴重な経験を踏み台に、ひとつ上のステージにいる気になってくれるでしょう。仕事で大失敗をした部下にも使えます。

 離婚も貴重な経験ですが、離婚した同僚を慰めるのも、それはそれで貴重な経験。せめてもの見返りと言っては何ですが、こっちはこっちで、大人の階段をひとつ上ったつもりになってしまいましょう。

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