風魔忍者と死闘を繰り広げた江戸の“ダークヒーロー”大盗賊の高坂甚内は病気平癒の神となっていた

今野 良彦 今野 良彦
写真はイメージです(metamorworks/stock.adobe.com)
写真はイメージです(metamorworks/stock.adobe.com)

 ある意味、功労者だったが、さすがの幕府もいつまでも黙っているわけがない。慶長十八年(1613年)に、大盗賊として捕らえられ、市中引き回しの上、浅草原で磔(はりつけ)にされた。捕縛された際に甚内は瘧(おこり)、今でいうマラリアを患っていたという。そのため、死に際に「瘧がなければ捕まらなかった。今後、瘧に苦しむものはわれに念ずれば治してやろう」と言い残したと伝えられている。そこで人々は処刑場のあった場所に祠(ほこら)を建てた。その祠はJR浅草橋の近くにひっそりとたたずむ「甚内神社」である。

 今回、そこを訪れたが、近隣の人には瘧だけでなく「病気平癒」の神社として親しまれており、きれいに手入れされていた。歌舞伎にも登場するかつてのダークヒーローだけに、持っている力は絶大。御利益十分だろう。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース