ランドセルの負荷90%減 小学生のアイデア商品が4カ月待ちの大人気 収益で「廃校にゲーム部屋」

キャリーバッグ風に使うとこうなる
キャリーバッグ風に使うとこうなる

 アイデア商品を手がける「悟空のきもちTHE LABO」が、ランドセルの負荷を約90%軽減するスティック「さんぽセル」を発売し、インターネット上で注目を集めている。小学生の発案から生まれたユニークな商品で、収益は「巨大テレビでゲームができる部屋を作る資金」になるという。

 「さんぽセル」は、ランドセルに取り付ける車輪付きアルミニウム製フレーム。取り付けたランドセルは、キャリーバッグのように地面に転がして歩くことができる。同社によると、同製品を使った場合、5キログラムのランドセルの体感荷重は約500グラムになるという。

 フレーム本体の重さは280グラム。伸縮自在で、短くすれば通常どおりランドセルを背負うこともできる。昨年11月に購入予約受付を始め、今月19日までに約2000個の予約が殺到した。現在は発送まで4カ月待ちとなっている。「置き勉」禁止などで荷物の多い小学生の悩みを解消することが期待される。

 キャリーバッグ風に持ち運ぶことを考えたのは、栃木県にある廃校を活用したサッカークラブに所属する小学生たちだった。クラブのオーナーと縁があった「悟空のきもちTHE LABO」で商品開発を手がける大学生約3名が協力し、製品化にこぎつけた。

 開発に参加した大学生の岡村連太郎さん(21)は、「さんぽセル」が生まれたきっかけは小学生の純粋な”願望”だったと話す。「サッカーをして遊ぶ子から『ゲームしたい』という言葉が出てきて、『だったら自分たちでお金を稼いで買っちゃえばいいじゃん』と」。「ランドセルが重い」という悩みをテーマに、昨年8月から企画が始まった。

 当時小学4年生だった双子の男子児童による「タイヤを付けて運んでしまえばいい」というアイデアをもとに、開発を開始。大学生が試作し、6人ほどの小学生チームが使い勝手を”ダメ出し”して改良を重ねた。耐久性を確認するには、大学生が合計500キロの歩行試験を行った。深夜にランドセルを引いて歩いていたため「10回以上職質されました」(岡村さん)という。

 予約分約2000個の出荷が完了すれば、当初の目的である「ゲーム」の夢がかなう見込み。今夏に、空き校舎内に子どもたちが遊べるゲーム部屋を作る計画が進んでいる。「70インチ以上のテレビ」「ニンテンドースイッチ」「大量のソフト」を収益を使って購入する予定だという。

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