トイレというのはとても気を遣うモノである。
いくら生理現象とは言え公共の場所であるなら、少しでも他の人に不快感を与えない様に配慮しようとするのが人間心理。センサーに手をかざすと自然な流水音がスピーカーから流れる……TOTOの「音姫」はそんな配慮に欠かせないエチケット製品として有名だ。
今、SNS上ではそんな音姫を魔改造した「音将軍」なる器具が大きな注目を集めている。
音将軍はなんと音姫の音を時代劇ドラマシリーズ「暴れん坊将軍」(テレビ朝日)のあのテーマ曲に変えてしまったもの。
起動するスイッチを押すと、流れるのは川のせせらぎ……ではなく、「ジャーンジャーンジャーン!!」と上様が大立ち回りをする時のお馴染みの音が爆音で流れ出す。これならばトイレの音が外部に漏れる心配はまず無く、エチケットは守れる……とは思うがあまりにも暴れん坊な音楽により、トイレを使用している事が大々的にアピールされてしまう。ある意味で本末転倒な面白発明だ。
音将軍を製作した発明家のあきにゃんさん(@TOPGUN_Aki)にお話を聞いた。
橋本ダイスケ(以下、橋本):とてもユニークなグッズですが、音将軍を製作しようと思い立ったキッカケをお教えください
あきにゃん:たまたま入った男子トイレに「音姫」が設置してあり、もっとインパクトのある音が鳴ったらおもしろいんじゃないか、と思って作りたいと考えました。
橋本:インパクトは絶大ですね(笑)。製作に掛かった時間はどの程度だったのでしょうか?
あきにゃん:1時間です。たまたま手持ちの部品で作れそうだったので手早く作ってみました。
橋本:1時間で作れるモノなんですか!?驚きですね……。音将軍は様々なバリエーションが作れそうな雰囲気がありますが、別バージョンもあったりするのでしょうか?
あきにゃん:microSDカードの差し替えで好きな曲を流せるようにしてあるので、気分に応じて音を変えることができます。
橋本:じゃあ水戸黄門にしたり仕事人にしたりもできる訳ですね……妙な緊張感が(笑)。音将軍以外に他にはどの様なモノを製作なさってますか?
あきにゃん:VRコンテンツ内を移動できるウォーキングマシンや、近づくと威嚇するトング、脈拍に応じて動くしっぽなど作ったことがあります。
橋本:VRウォーキングマシンの様な画期的なモノから、威嚇トングの様な面白グッズまで多種多様ですね。最後に、今後の展望がございましたら、お教えください。
あきにゃん:思った以上に「欲しい」という声がありましたので、何かしらの形でみなさんに楽しんでいただけるようにしたいです。またクスッと笑えるようなモノを作っていこうと思っております。
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日常にあるちょっとしたモノでも、少し着眼点を変える事で、話題のグッズへと変貌を遂げる事がある。今回の取材を通してその事がよくわかった。
音将軍は権利の問題もあるので製品化は難しいかも知れないが、もしそれが実現したらトイレのそこら中で暴れん坊の上様が立ち回る事になるのだろうか。あきにゃんさんの今後の発明にも期待したい。