「亀田の柿の種」や「ハッピーターン」などで知られる米菓メーカーの亀田製菓は、もち米とポテトを合わせた新感覚ポテトスナック「亀田ポテト」(希望小売価格148円)を関西地区2府4県のスーパーなどで先行販売した。
同社設立65年目でのポテトスナック本格挑戦。もち米とポテトを合わせ、かみごたえにもこだわった〝かみ砕いて味わう〟ザクザク食感を実現した。
スナックの王道味・しお、コンソメ、のりしおの3種をそろえ、ふかしや揚げといった米菓売上ナンバーワンメーカーとして積み重ねた技術を注入。「亀田ポテト」というド直球の商品名に、亀田製菓のただならぬ決意がうかがえる。
亀田製菓商品本部マーケティング戦略部の歴舎直輝さん(34)は、せんべいなど米菓を好む世代が50代以上に偏っている危機感があるという。「スナックを好んで食べている30~40歳代の層に向けた」とターゲットを明かす。30~40代が好むポテトスナックなどへの嫉妬もあったといい、2020年ごろから商品開発を始めた。
米とポテトを使ったスナッキーな菓子をつくりたいという思いは、以前からあった。同社商品本部技術開発部の坂井孝史さん(39)は「チップス状のポテトスナックのように薄さで勝負すると、米とポテトを混ぜたメリットがない。スナックにはないかみしめる食感は、米菓でしかできない。新しさを提案できるのではないか」と、米菓特有のかみごたえを重視した。
米とポテトの配合や揚げる時間、水分量などを0・1%単位で刻み、約1年間の開発期間を経て、ようやく商品化にこぎつけた。チップス状や棒状とは違うゴツゴツした「ポテトのかたまり」で、目新しさを表現。未体験のザクザク食感にたどり着いた。
社内でもポテトスナック本格挑戦にさまざまな声があったというが、試作品を同社の会長が完食。味や食感に太鼓判を押し「若い世代に発信していかないといけない」と、GOサインが出たという。
歴舎さんは「米菓でもスナックでもない、今までなかった新しいもの。亀田製菓が本気で挑戦したというポテトスナックへのワクワクや食感への驚きが、お客様に伝わっていければという思いが強い」と熱く語る。坂井さんも「製法でももち米とポテトのうまみを最大限引き出している。味つけにも亀田らしさにこだわった」と自信を見せる。
関西地区での先行発売では3種の味をまとめ買いする消費者も多く、同社のネットショップでは「『亀田ポテト』食べ比べセット(3種×各4袋)」も販売開始。商品の売れ行きや購入者の声を聞きながら、今後全国に販路を広げるべく検討を進めて行く計画だ。