ウクライナ首都キエフ市長と殴り合った経験を持つ元K-1戦士が悲痛エール「どうかご無事で」

杉田 康人 杉田 康人
ノブ・ハヤシ
ノブ・ハヤシ

 元K―1戦士で、都内のドージョーチャクリキ・ジャパン館長のノブ・ハヤシ(43)が16日、ボクシング元WBC、WBO世界ヘビー級王者でウクライナ首都キエフ市長のビタリ・クリチコ氏(50)とスパーリングをした経験を明かし、緊急メッセージとともに「どうかビタリ・クリチコさん、ご無事で。キエフ市民の皆さん、ご無事で。僕は祈り続けるとともに、この戦争に絶対反対致します」と悲痛なエールを送った。

 ノブ・ハヤシは1998年、単身オランダに渡り、ドージョーチャクリキ住み込みの新弟子として格闘家生活をスタート。当時キックボクサーだったクリチコ氏とスパーリングで拳を合わせる機会があったという。ハヤシは「ビタリさんは体も大きく『これが一流のプロ選手か!』との思いを抱きました」と振り返る。

 当時、ハヤシはプロデビュー前。言葉もうまく話せなかったというが「拳を通じて多くのことを教えていただいた気がします。その後、ビタリさんはボクシングの世界王者になり、彼とスパーリングをしたことがあるというのは僕の誇りのひとつでした」と、今でも尊敬の念を抱く。

 2009年に白血病を発症し、何度も生死の境をさまよったというハヤシは「だからこそ命がどれだけかけがえの無い物か、大切な物か、この身をもって知っています」とし、ウクライナでキエフ市長になったクリチコ氏の状況をおもんぱかった。

 ロシア軍の侵攻が続くウクライナの首都キエフは、15日夜から35時間の外出禁止令を敷かれるなど事態は緊迫化している。ハヤシは「日本に居る私にも、今とんでもない状況にビタリさんやキエフ市民が居るのは分かります。僕は格闘家でK―1のリングなどでずっと戦ってきました。しかし、リング外での戦闘には絶対反対です」と、反戦を訴えながら盟友の無事を祈った。

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