俳優のサミュエル・L・ジャクソン(73)は、最も人気のある映画にもアカデミー賞を授与すべきだと考えているという。大作映画、特にスーパーヒーロー映画に対する批判にうんざりしているというサミュエル、すべての映画が「妥当」であり、観客を映画館に呼び込むことが映画業界の目的だからだと主張する。
サンデー・タイムズのカルチャー誌にサミュエルはこう語っている。
「すべての映画に妥当性がある。映画を観に行って心を揺さぶられたい人もいれば、スーパーヒーローが好きな人もいる。もし他の誰かがより多くの観客を座らせたら、それは単に観客層がそれほど広くないってことだ。成功したキャリアを積んでいても、有名なセリフ一つ持ってない者もいる。俺はTシャツに書かれるようなセリフを持ってる男さ」
「最も人気のある映画にアカデミー賞を授与すべきだよ。そういうビジネスなんだから」
また『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に賞を与えるべきかとの質問に対し、サミュエルは「そうすべきだ!この映画は、これまで映画がずっとやってきたことをやったんだ。人々を映画館に連れて来たんだぜ」と答えている。
一方『パルプ・フィクション』での演技で、たった一度だけアカデミー賞候補になったサミュエルは、その時に賞を与えられるべきだったと考えており、『ジャングル・フィーバー』での自身の演技が不当に鼻であしらわれたとも感じているという。
今月の授賞式でアカデミー名誉賞を受賞する予定のサミュエルはこう話している。
「妻と『バグジー』を観たんだ。ちぇっ。あの出演者たちはノミネートされたのに、俺はされなかったんだよな?黒人俳優は、たいてい映画で卑劣な行為をやったら勝てるみたいだな」
「デンゼル(ワシントン)が『トレーニング デイ』でひどい警官を演じたようにさ。『マルコムX』のような高揚感のある役柄を演じた彼の素晴らしい作品の全てには?いいや、この賞は他の奴にあげようってね」「だから、俺が獲っておくべきだったかもしれないんだ」
しかしサミュエルは、トロフィーのないことが自身のキャリアに影響しているとは考えておらず「でもアカデミー賞はギャラのカンマの位置を動かさない。映画館に観客が入るかどうかってことで、その点で俺は良い仕事をしてきたよ」と続けた。