ヒューマン中村が創作漢字ネタ本 R-1出場絶たれ失意一転 悲願の出版につながった!

杉田 康人 杉田 康人
ネタ本出版の喜びを創作漢字で表したヒューマン中村
ネタ本出版の喜びを創作漢字で表したヒューマン中村

 お笑い芸人のヒューマン中村(38)初の自著「おもしろ漢字辞典~こんな漢字でどうですか?~」(KADOKAWA)が、3月31日に全国発売される。カンテレ「かまいたちの机上の空論城」(土曜、後5・00=関西ローカル)出演がもとで、ツイッターでバズった創作漢字ネタを収録したネタ本。漢字の形状をユニークに変えながら「風、むっちゃ強い」「店員さんにタメ口でいくタイプの客」などを表現している。

 出版を前に、よろず~ニュースの取材に応じた中村は「芸人として、ネタを本にしたいという夢がかなった。R―1に出られないという絶望の中、不思議と本を出すということにつながった」と笑顔。「嬉」という漢字の「喜」の部分が飛び上がる創作漢字でうれしさを表現した。

 ひとり芸日本一決定戦・R―1グランプリで6度決勝進出するなど、R―1中心の芸人生活を送っていた。2021年大会から出場規定が「芸歴10年以内」に変更され、芸歴11年以上だった中村は突然、目標を失った。「路頭に迷ったというか、目の前が真っ暗になった。青天のへきれき。やめようかなとも思った」と、引退をも考えた失意の日々を述懐する。

 R―1に出られなくなった芸人を集めたネタ対決企画で優勝。栄冠をきっかけに出演した「―空論城」での「1日100ツイートしたら誰でもバズることができる!…ハズ」という企画で、5~6年前からあたためていた創作漢字ネタを披露したところ大反響に。たまたま放送を見ていた編集者が出版を打診した。

 座右の銘が「すべては伏線」という中村は「舞台で披露した時はお客さんが〝うんうん〟とうなづくばかりで笑いが起きなかったネタを掘り起こしたら、ツイッターに合っていた。奇跡だな、と。形になるまで続けようと思っていたが、本になったことでR―1の伏線が回収できた」と、いまや自身の代名詞となった漢字ネタの誕生秘話を明かした。

 国語を習う小学生のように、常用漢字表をながめながら創作漢字を考える。下ネタやブラックなネタは排除し、老若男女誰でも楽しめるネタを心がけているという。400あるネタから厳選した一冊の本に「全年齢楽しめます。書店でも、子ども向けの学習コーナーに置いて欲しい」と、子どもが漢字への興味を持つきっかけになればと熱望した。

 中村は「疲れた時にすする温かいお茶のように、疲れた時に読むとフフッとなる。売れたら第2、第3とネタ本を出していきたい」とネタ本のシリーズ化につなげたい考えだ。R―1出場が絶たれたことが、逆に悲願の自著出版につながった不思議さを実感。「R―1があったら本ができていない。出られなくなってよかったとも思っている」と振り返った。

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