マンガ業界に綺羅星のごとく存在するギャグ漫画。ベタあたり、ナンセンスあり、シュールありと、時代の一歩先をいく作品が次々と誕生する中で、どのジャンルにもおさまりきれないギャグ漫画が話題となっている。作者は、ハガキ職人から漫画家に転身し、単行本『まれなひと』(2021年/KADOKAWA)などが好評となっている、白湯白かばんさん(@sayushirokaban)。
“ポップシュルレアリスムの父”とも評される、アメリカを代表する画家のマーク・ライデンに影響を受けたというかばんさんが描く作品には、芸術的なセンスが光る作品も多い。とくに、Instagramに発表されているイラストは、同じ作者とは思えない神秘的な質感を持っているのが特長だ。
その作品はどれもポップでありながら、人間のリアルさも際立つ絶妙さ。こうした画力を下敷きに、ハガキ職人として磨き上げた笑いのセンスを詰め込んだのが、一連の短編ギャグ漫画だ。今回は、その作品の読みどころと、かばんさんのインタビューをお届けする。
そう来たか!感覚を狂わせる視点とオチ。
かばんさんのSNSで不定期に発表されているギャグ漫画作品。何気ない日常から非日常へと急転直下していくこの作品は、常人とかけ離れた視点と意表を突かれるオチが人気となっている。
笑いの中に何かしら伝えたいものがあるのかと感じさせる作品だが、かばんさんの創作にかける思いはしごく単純なもの。「もともと、ナンセンスなお笑いが好きでした。なるべく伝えたいメッセージみたいなものは入れず、ただ面白いものを描こうと意識しています。最近は少しシフトチェンジして、狂気性などは薄め、日常の中の延長線上にあるような作品が多いです。狂気性のあるものもまた描きたいですね」と話す、かばんさん。
ハガキ職人に出自を持つ、かばんさんが次にめざすものは、なんとラジオのジャンルを扱う作品だとか。コアなファンが多いラジオの世界を、いったいどのような“かばんワールド”で切り取って表現してくれるのか。今から笑い待ちしてしまうほど楽しみでならない。
■■白湯白かばんさんのSNS
▼Twitter
https://twitter.com/sayushirokaban?s=20&t=QpYZGiIgeNWiS-OoYaUNJQ
▼Instagram
http://instagram.com/sayushirokaban