俳優のマイケル・キートン(70)は、2月27日に開催された全米映画俳優組合(SAG)賞で自身の受賞が発表された時、トイレにいたそうだ。『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』で医師サミュエル・フィニックス役を演じ、テレビ映画/リミテッドシリーズ部門男優賞に輝いたが、プレゼンターを務めたサルマ・ハエック(55)は壇上で待ちぼうけを食らってしまった。
「そして受賞者はマイケル・キートン、『DOPESICK』」とサルマが発表。観客から拍手が沸き起こったものの、マイケルの姿は見えず、「嘘でしょ?私はステージ恐怖症なの。マイケルお願い!マイケルお願い!」と訴える中、やっとマイケルが登場、「ありがとう。ごめん!男子トイレに駆け込んだんだけど、すごく混んでいてね。これはとても良いことだ、ありがとう。本当に感謝しているよ」とスピーチを開始した。
そしてマイケルは同賞を、2016年に薬物過剰摂取で命を落とした甥とその母である姉パメラさんに捧げるとした上で、作品への思いを語った。
「私は実際に話題や変化をもたらしている『DOPESICK』のような作品に参加できる仕事を持っている。そんな仕事を誰ができるだろう?僕が俳優になりたかったという理由だけで、あのような良いことが出来たなんて、どれほど私は幸運なんだろう」
「世の中は不公平なことで溢れている」「『DOPESICK』で依存症について話す時、その問題を治癒する方法は、自分が問題を抱えていると認めることだとしている。しかし我々の世界、全世界で、経済的、人種的、社会的、金銭的に巨大な不公平が存在している」
「公正か不公正で、その間がない」
「今、そこら中で『またか。黙って演技してろ』って思っている人々がいるのを感じるけど、私は俳優業は止めても黙ることはない」「誰かの人生を向上する可能性のあることをできるなんて私はとても恵まれている。最も幸福な人間だよ」