猫好き必携の人気猫ハンコ「ニャン鑑(かん)」が進化し、印鑑登録可能になった。大阪市の印刷文具店・城山博文堂は8日までに、名前の一部が猫の輪郭になった印鑑「ニャン鑑極(きわ)み」を発売開始した。
2014年の発売後猫好きのハートをポンとつかみ、約3万本を売り上げたニャン鑑。文字の一部が猫全身のシルエットになったハンコは認印や銀行印としての使用はできるものの、実印は「名前以外の情報、マークなどがあってはいけない」と印鑑条例で定める自治体があり、判断が分かれていた。
「実印にしたい」と愛好者から要望を受けた同店の印鑑デザイナー・城山謙一さん(57)が「これまで100%の保証はできなかったが、印鑑証明ができる印鑑こそ本物の印鑑」と開発に着手。実印に多く使われる印相体で名前を表現し、線の一部が偶然猫の輪郭に見えるよう変形させたハンコを開発した。
試作したハンコで大阪市で印鑑証明を取得したところ、難なく登録できたという。大阪市は印鑑条例で「動物の形などで氏名を図案化したものは×」との記載があり「厳しいと思われる大阪でスムーズに登録できたことから、ほとんどの自治体で登録することができるのではないか」と予想する。
印鑑のデザイン作業中に、自身の名前の「はらい」の部分が〝猫っぽい〟と気づき、ニャン鑑を考案。2014年の発売当初はSNSでバズり、発売わずか1週間で前年1年分のハンコ売り上げ本数を超えた。実印にできる猫ハンコの反応も上々で、2022年2月22日の「スーパー猫の日」に向け猫の手も借りたい日々が続く。