相続問題、遺産分割における実子と養子の違いは?胎児は?「隠し子」が発覚したらどうなる?

平松 まゆき 平松 まゆき
写真はイメージです(matsu/stock.adobe.com)
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 近年の相続法改正に伴い、先月は、亡くなった人(被相続人)の相続財産の調べ方について解説しました。今回は、どのように分けるのかという遺産分割の問題についてお話します。

 まず、遺言書が作成されている場合は、原則として遺言書に従って分割しますので、遺産分割協議は不要です。遺言が公正証書化されている場合もあるので、公証人役場に問い合わせをしてみても良いでしょう。

 次に、遺言書がない場合、分割割合は法律に定めがあります(民法900条)。基本的なルールは、第1順位が配偶者と子で、配偶者が2分の1 子が2分の1です。第2順位は親などの直系尊属と配偶者で、配偶者3分の2、親が3分の1となります。第3順位は兄弟姉妹と配偶者で、配偶者4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。ただ、相続人全員で遺産分割協議をして、法律とは異なる割合を決定しても構いません。

 養子は実子と同じように扱われ、相続分も実子と違いはありません。養子縁組をしていない連れ子は相続人にはなりません。ここでごく稀に(いや、案外多いかも)問題になるのが、「隠し子」です。死亡に伴う戸籍謄本等の取り寄せに際し、突如として被相続人が認知した子の存在が判明することがあります。認知された子も、実子と同じように扱われ、相続分も実子と違いはありません。

 なお、胎児は、相続については、既に生れたものとみなされますので、実子と同じように扱います。

 次に分割の方法ですが、現物をそのまま分割する(現物分割)、売却するなどして金銭で分割する(換価分割)、特定の相続人が相続し、他の相続人には代償として法定相続分を金銭で支払う(代償分割)があります。例えば、相続財産が不動産である場合、家をのこぎりで切って分割するわけにはいきませんので、代償分割をします。しかし、そもそも価値をどのように評価するのかで揉めたり、その家に住んでいた相続人がいたりすると、むやみに売却するわけにもいかず、解決が非常に難しいことがあります。

 相手が親族だけに、こじれてしまうのは避けたいもの。相続が発生した場合は、弁護士などの専門家に早めにご相談されたほうがいいでしょう。

 次回もお楽しみに!

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