人気アニメに実名登場で話題のウィッグ店 コロナ禍で厳しいコスプレ業界盛り上げに期待

松田 和城 松田 和城

 「ヤングガンガン」(スクウェア・エニックス)で連載中の、福田晋一氏による漫画を原作としたテレビアニメ「その着せ替え人形は恋をする(着せ恋)」が、1月からTOKYO MXなどで放送されている。コスプレ衣装づくりに関する丁寧な描写が魅力の一つで、第3話では池袋にあるコスプレウィッグ販売店「スワローテイル」が実名で登場した。同作の影響で、来店者数が増えたという同店店長・酒井ひより氏は「普段来店される方に加え、お店を知らなかった人も来ていただいたりとか、いろいろな方面から反響があってうれしいです」と話した。

 原作漫画連載の際に、作者の福田氏が写真撮影などの取材に訪れたという。そのため、店内の様子が忠実に再現された。放送中、ネット上では「完全に店内再現されている!」「いつも行っている店がそのまま出てきてびびった」など喜びと驚きの反応が見られた。アニメ放送前から同作ファンの間では聖地としても認知されていたが、「3話の後はやっぱり反響が大きくて『着せ恋を見て来ました』というように記念撮影するためだけに足を運んでくださる方もいらっしゃいます」とコスプレイヤー以外の来店にも笑顔を見せた。同作のヒロイン・喜多川海夢の髪色・長さに近いウィッグを求める人も急増し、在庫が少なくなっていることを明かした。

 昨年末、コミックマーケットが2年ぶりに開催されたが、先の見えないコロナ禍でコスプレを披露できる場所は決して多くない。界隈の”下火”に酒井氏は寂しそうな表情を見せた一方で、同アニメに期待を寄せた。「徐々にコスプレのイベントが減ってきていたりしたので、これ(アニメ放送)を機にイベントやコスプレイヤーさん自体も増えてきてくれたらうれしいです」と語った。

 作中では、コスプレ当事者ならではのウィッグへのこだわり、”あるある”が描かれた。同氏は、バーチャルシンガー・初音ミクや「ラブライブ!」矢澤にこ、「けいおん!」中野梓などに代表される人気の髪型・ツインテールの再現について意外な実情を説明した。一見、結んでいるように見える両サイドの部分では、クリップタイプのワンポイントウィッグ・バンスを使用。ショートカットのウィッグに二つのバンスを留めて組み合わせることでツインテールを再現しているという。「髪が長ければ長いほど、結んでる最中に絡まってしまうのですごく大変なんです。そういう時にバンスを使うと簡単にツインテールやポニーテールをつくることができます」と明かした。

 東日本最大級の広さと品ぞろえで有名な同店では、約200色ものウィッグを販売している。今後も新たな人気キャラクターや来店客の要望に対応し、色の種類は増えていく予定だ。

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