神戸市の住宅街にある埋葬者不明の巨大古墳 「呪術廻戦」のTOHO animationがアニメMV化

杉田 康人 杉田 康人
「ワンダリズム きみを呼ぶ声」のキャラクター(C)Kobe City
「ワンダリズム きみを呼ぶ声」のキャラクター(C)Kobe City

 「呪術廻戦」「僕のヒーローアカデミア」などの話題作を生み出した東宝の自社アニメレーベル・TOHO animationは、設立10周年を記念したアニメミュージックビデオプロジェクトを発表した。

 〝地方から生まれる物語〟として、アニメと楽曲を掛け合わせたミュージックビデオ(MV)を制作。第1弾として、神戸市垂水区の巨大遺跡・五色塚古墳(ごしきづかこふん)を舞台とした「ワンダリズム きみを呼ぶ声」~神戸・五色塚古墳アニメMVプロジェクト~を3月にWEB公開する。

 五色塚古墳は、全長194メートルに及ぶ埋葬者不明の巨大前方後円墳。成り立ちに多くの謎が残り、海と住宅地に面している〝ミステリアス過ぎる巨大古墳〟。時空のゆがみから突如現れたようなたたずまいの遺跡が、SFファンタジー作品として制作されることになった。

 プロデューサーの武井克弘氏は「宝石の国」「BNA ビー・エヌ・エー」などの話題作を手がけた。2011年から2年間、東宝関西支社に勤務しながら、五色塚古墳の存在は「恥ずかしながら知りませんでした」と明かす。埋葬者不明の古墳に「既知であふれ返ったこの世界に、いまだ知られざる領域が残っているとは。がぜんワクワクしてきたではないですか」と、制作意欲をかき立てられているという。

 物語は、SNS全盛の時代にマッチするMVで発信。TOHO animationが注目する新進気鋭のアーティストが、制作陣として名を連ねた。

 アニメーションの原案、コンセプトデザインは注目のアニメーター・しのが担当。楽曲は神奈川県出身の4人組ピアノ・ロック・バンド、HOWL BE QUIETが、プロジェクトに合わせた新曲「Wonderism(ワンダリズム)」を書き下ろした。

 HOWL BE QUIETは「2022年が始まってすぐに、こうやって曲が出せること。そして、その曲が東宝と神戸市と一緒に作り上げた〝アニメMV〟という素敵な形で出せること。今年もHOWL BE QUIETは走っていくぞ!という宣誓でもあるので、ぜひ楽しみにしていてください。そして、神戸市の地元の方にとってのテーマソングとなって長く愛される曲になってくれれば嬉しいです」とのコメントを発表した。

 プロデューサーの武井氏は「キーワードは『未知との遭遇』。日本のアニメで見られなくなって久しい、胸躍る王道冒険ムービーを目指します」と、神戸のイメージを覆す奇想天外な作品を予告した。

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