多くの野球漫画を手がけ「ドカベン」「あぶさん」「野球狂の詩」などの作品で知られる漫画家の水島新司さんが10日、肺炎のため東京都内の病院で死去していたことが17日、分かった。同日、所属事務所が発表した。82歳だった。葬儀は家族のみで行った。喪主は妻・修子さん。
水島さんは1958年にデビュー。72年から週刊少年チャンピオン(秋田書店)で、神奈川県の明訓高校野球部を舞台に山田太郎、岩鬼正美、里中智、殿馬一人ら甲子園の高校球児を描いた代表作「ドカベン」の連載を開始。大ヒットし、野球漫画の第一人者としての地位を築き上げた。
「ドカベン」は1981年に一度終了したが、主人公の山田太郎がプロ野球の西武に入団した「プロ野球編」「スーパースターズ編」などの続編を同誌で連載。2018年6月28日号で「ドリームトーナメント編」で、46年続いたシリーズが完結した。
水島さんは2020年12月1日、所属事務所を通じて「今日まで63年間頑張って参りましたが、本日を以って引退することに決めました。これからの漫画界、野球界の発展を心よりお祈り申し上げます」とのコメントを残し引退を発表。詳しい理由などは、明らかにしなかった。