マグロじゃない!由緒あるホールで前代未聞の「オルガン解体ショー」チケット即完売 

杉田 康人 杉田 康人
「オルガン解体ショー」のチケットは発売開始30分で完売した
「オルガン解体ショー」のチケットは発売開始30分で完売した

3月26日に東京・武蔵野市民文化会館小ホールで開催される「ポジティフオルガン解体ショー」と銘打たれたコンサートが、注目を浴びている。8日午前10時から200席限定でチケットが発売されたが、約30分でソールドアウト。問い合わせも殺到し、武蔵野文化事業団の担当者は「このようなことはあまりなかったです」と、異例の完売劇に驚いていた。

マグロじゃない。コンサートを主催する武蔵野市の外郭団体・武蔵野文化事業団が発行した「オルガン解体ショー!」と太文字で書かれたチラシが、SNS上で拡散された。

コンサートは2部構成で、1部はオルガン奏者の山口綾規氏、阿部翠氏による30分間の「巨大オルガン×小型オルガン2台で名曲合奏!どなたでも楽しめる名曲のオンパレード!」。ここまでは公共のホールであるコンサートだが、45分予定の第2部は「小型パイプオルガン(ポジティフオルガン)解体!」と、胸をザワつかせるワードが徐々に躍り始める。

オルガン建造家のマテュー・ガルニエ氏が解説を交え「美しいオルガンを分解していきます!!」と、芸術品のような管楽器の解体を予告。「ああ、なんて赤裸々…あなたの知的好奇心にジャストミート!これであなたもオルガン博士!!」とうたっている。

……なぜバラバラにしないといけないのか。担当者は「マグロの解体ショーと引っかけてツイッターでつぶやいていただいて、拡散力に驚いております」と反響を明かす。小型パイプオルガンは、バラバラにしても再び組み立てることができるといい「小型のカメラを通して分解しながら中を撮影し、音が出る仕組みを解説します」と企画意図を語った。

武蔵野市民文化会館小ホールは1984年、都内の公立ホールで初めてパイプオルガンが設置されたという由緒ある場所。1988年から4年に1度のペースで「武蔵野市国際オルガンコンクール」を開催しており、オルガニストの登竜門となっている。

前回2017年の大会を最後に、コロナ禍で順延。2023年9月の開催を予定しているが「いきなり集客や注目を集めるのは難しい。オルガンのことを広く一般に、よく知っていただきたい。どんな興味でも持ってほしい」(担当者)と、コンクールへの機運を高めるために職員が「解体ショー」の文言を発案した。

10年以上前にも同様のイベントを開催したが、担当者によると反応はそれほどなかったという。前代未聞?の小型パイプオルガン解体ショーは、SNSとの絶妙なハーモニーを奏でていた。

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