立憲民主党から番組制作費として資金提供を受けていたことが明らかになったインターネットメディア「Choose Life Project(CLP)」の共同代表・佐治洋氏が6日、公式サイトで、一連の詳細を説明。約1500万円を受け取っていたことを認め、共同代表を辞任する考えを示した。
佐治氏はサイトで支援者や出演者、関係者らに謝罪。その上で「2020年3月からクラウドファンディングで自分たちのファンドを運用できるまでの間、立憲民主党から『番組制作費』として、広告代理店や制作会社を通じてCLPが資金提供を受けていたことは事実です」と明かした。
その理由として「立ち上げ当初は現在の形である市民サポーター型の『公共メディア』という方針や、今のホームページに記載されているような明確な理念はもてておらず、制作しているコンテンツの方向性や内容についても試行錯誤が続いていました。ただ、活動を続けるためには資金が必要でした」と説明。「立憲民主党の福山哲郎氏にCLPの話をさせていただく機会を得ました。フェイクニュースやあまりに不公正な差別が横行する状況に対抗するための新しいメディアを作りたいという理念に共感をいただき、広告代理店・制作会社を通じて番組制作のための支援をいただくこととなりました」とした。
その後は「政党から資金援助を受ける形ではなく、市民の手によって支えられるメディアこそが求められているという実感から、2020年7月に、CLPの理念をまとめ法人化し、『公共メディアを作る』としてクラウドファンディングを開始しました。その後、立憲民主党に資金提供の終了をお願いし、終了しました」とし、「これらの事実をサポーター・視聴者・出演者の皆様に説明しないままに配信活動を行い、寄付を募っていた時期があることは、メディアの役割からも、また寄付の透明性という観点からも不適切でした」と認めた。
一方で「資金提供期間に特定政党を利するための番組作りはしていません。立憲民主党からCLPや番組内容への要求・介入はありませんでした」と強調。「『フェイクニュースやあまりに不公正な差別が横行する状況に対抗するための新しいメディアを作りたい』という理念に共感し支援いただいた立憲民主党に対しても大変な誤解と批判を招くこととなり、お詫びのしようもございません」と、立憲民主党への謝意も示した。
「テレビや新聞などのマスメディアと異なり、ネットメディアについてはそれほど厳密な放送倫理の規定が適用されるわけではなく、政党や企業や団体からの資金の提供についてマスメディアであれば抵触するであろう各種法令は適応外であろうという認識でいました」と、当時の認識の甘さも吐露。「過去の資金提供について出演者やサポーター、視聴者の皆さまにお伝えしてこなかったことはただの甘えで、視聴者や出演者の皆さまに対する裏切りであり、モラルを著しく欠いた態度であったと認めざるを得ません」と悔恨の意を表した。
その上で「私、佐治洋はこの件についての説明責任を果たした後、速やかにCLP共同代表を辞任いたします」と宣言。今後は「制作したコンテンツについて、クラウドファンディング以前のものについて公開を止め(外部企画を除く)、それ以降であっても出演者が非公開を望む場合は停止する意向です」と対応を約束した。
CLPに関しては、2020年春から約半年にわたり、広告会社や制作会社を挟む形で立憲民主党から「番組制作費」として1000万円以上の資金提供を受けていたとして、元TBSアナウンサーでエッセイストの小島慶子氏ら5人が5日、連名で抗議文を提出していた。立憲民主党の福山哲郎前幹事長は6日、資金提供を認めた上で、番組内容への介入は否定していた。