衰えぬ「鬼滅」人気 絶版本の復刊&重版導く 河出書房新社「大正ロマン手帖」が話題に

福島 大輔 福島 大輔
復刊された「大正ロマン手帖」
復刊された「大正ロマン手帖」

 社会現象ともなった大ブームから1年が過ぎても、「鬼滅の刃」人気は衰えるところを知らない。今月14日、鬼滅ファンからの要望を受け、「大正ロマン手帖」(河出書房新社)が復刊された。3000部の再版に注文が殺到し、すでに重版は確実な状況だという。

 発端となったのは、ライター・翻訳者の堀越英美さん。堀越さんの長女が「鬼滅の刃」の影響で大正時代に興味を持った結果、同著を欲しがった。だが、すでに絶版状態だったため、仕事上の付き合いがあった版元の河出書房新社に「倉庫に残ってたら売ってください」と依頼したところ、とんとん拍子に復刊が決定したという。

 同社の担当者はよろず~ニュースの取材に対し、「堀越さんからご連絡をいただいた時は、(同著の)担当者の手元にも一冊もない状態でした。加えて、この本の価格が高騰しているという話も合ったため、新装版をだそうという話になりました」と経緯を明かした。初版の定価は1600円だったが、オークションサイトなどでは3000円ほどの値がついていたという。

 堀越さんは今月22日に自身のツイッターを更新し、復刊への感謝をつづったところ、大きな話題に。さらに同日、「図書館にある大正時代の本をいろいろ読んだけど、『大正ロマン手帖』が一番だったらしいんですよ。おしゃれさと面白さが。電車の中でこの本を読んでるときがこれまでの通学時間で一番幸せな時間だったというくらい」と同著を絶賛したことで、さらに評価が高まり、河出書房新社への注文が殺到。「すでに手元には数百部しかない状態です」と、重版も確実視されている。

 同著は、漫画「鬼滅の刃」の連載がスタートする7年前の2009年に発売。当初の想定とは違う形での盛り上がりとなったが、担当者は、復刊の企画提出の際にも「『鬼滅の刃』の影響もあり、大正時代が人気です」というプッシュがあったと明かし、変わらぬ鬼滅人気に舌を巻いていた。

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