「M-1グランプリ2021」の決勝が19日に行われ、錦鯉が第17代王者に輝いた。ボケの長谷川雅紀は史上最年長50歳で栄冠を手にし、ツッコミで43歳の渡辺隆とともに〝おじさんの星〟となった。ネタは決勝、最終決戦ともに2本を規定時間の4分ギリギリで収める優等生ぶり。勢いだけではない緻密な作り込みを感じさせた。
M-1のネタ時間の規定は1回戦2分、2・3回戦が3分、準々決勝以降は4分。公式サイトで配信された動画から、決勝10組のネタ時間は次の通りだった。
<決勝=ネタ順>
・モグライダー 4分59秒
・ランジャタイ 4分25秒
・ゆにばーす 3分41秒
・ハライチ 5分37秒
・真空ジェシカ 4分01秒
・オズワルド 3分59秒
・ロングコートダディ 4分45秒
・錦鯉 3分57秒
・インディアンス 4分16秒
・もも 4分15秒
<最終決戦=ネタ順>
・インディアンス 3分25秒
・錦鯉 3分56秒
・オズワルド 4分26秒
もちろん、ネタ時間が面白さや評価の基準に直結するわけではない。それでも、決勝に向けて事務所の先輩であるハリウッドザコシショウやバイきんぐにネタを見てもらい、「最終的にはやりたいようにやれと言われました」と背中を押してもらったという錦鯉。ネタの精度を物語る数字と言えるのではないだろうか。
過去最多エントリー6017組の頂点に立った優勝会見。渡辺は「まだ全然実感がわいてないですね。ほんとに現実なのかな」と苦笑。長谷川は号泣した理由について「結果が出たときに相方が僕に抱きついて『ありがとう』って言ったので涙が出てきちゃって」と明かした。さらに長谷川は、「一番感謝しているのは相方。結成したとき相方は33歳で僕は40歳。前のコンビを解散して芸人を辞めようと思ってたときに声をかけてもらった」と真剣な表情でコメント。渡辺は「組んでよかったという感じですね」と照れた。「優勝を誰に伝えたいか」という質問では、渡辺は「一緒に住んでいる父親」と回答。長谷川は地元・北海道にいる母親に「去年までバイトをしていて、電話をするたびにお金を借りていた。優勝を喜んでくれていると思う。旅行とかもこれからしたい」と感謝の気持ちを語った。
「2人にとって漫才とは」と聞かれた場面では、長谷川が「漫才のおかげで人生が変わった。これからがスタートなのかもしれませんね」とコメント。今後の目標について、長谷川は「松本さんの言葉で『魂は年を取らない』という言葉が大好き。おっさんだから何かができないということではなく、50歳超えてもがんばっていこうという気持ち」とやる気がみなぎってる様子。渡辺は「漫才の頂点に立てたので、漫才に貢献していかないと。全国を周ったり、たくさんの人に漫才を見てもらいたい」と語った。