ニューヨーク・ブロードウェイで男性全裸ミュージカル「Naked Boys Singing!」を観覧した体験を描いた漫画「下半身モロだしのとんでもねえミュージカル見に一人でNYまで行った話」がSNS上で大きな注目を集めている。
この漫画の作者はテレビ東京にお勤めのテレビ局員兼漫画家、真船佳奈さん(@mafune_kana)。
2018年当時、大きなストレスを抱えていたという真船さん。「私も魂を解放させたい…」その一心ではるばるニューヨークを訪れた真船さんが見たものはまさにタイトル通り、下半身丸出しで歌い踊る男性演者たちの姿だった。
真船さんの漫画に対し、SNSユーザーたちからは
「ブロードウェイってすごいな。こういうミュージカルもあるのね。行ってみたい。なんかこういう少し外れたところのショーの方がおもろいよね。」
「Naked Boys Singingって映像化してるのがまたすごいですよね()
もちろんモザイクはありませんでした()()」
「すごいー、さすがアメリカ。そんなミュージカルが。そして、男性だと笑えるですね。
私は浅草にストリップショー(女性)を観に行きましたが、肉体の美しさに感動しました。服を着ているよりも脱いでる方が自然に思えてしまうほど」
「オフブロードウェイはいいゾ」
など数々の感動と共感のコメントが寄せられている。
真船さんにお話を聞いた。
中将タカノリ(以下「中将」):相当お疲れだったようですが、2018年当時の真船さんにはどんなことがあったのでしょうか?
真船:NYに行ったのは29歳になったばかりの時だったのですが、当時付き合っていた彼氏と別れ、人生をいろいろ考え直しているような時期でした。
中将:真船さんがこのミュージカルをご存知になったきっかけをお聞かせください。
真船:「NYでは本場のミュージカルをたくさんみたい!」と思っていたので、詳しい知人に聞いて、「そういえばこんな舞台見たよ!」という感じで教えてもらいました。
中将:ミュージカルの観客はどんな層だったのでしょうか?
真船:その日の会場は、女性7割、男性3割という感じでした。男性は同性の友人、あるいはゲイカップルと思しき方が多く、女性は大人数の友達グループが多かったです。バチェレッタパーティー(結婚前夜・独身最後の夜にハメを外す)でもよく利用されるんだと聞きました。
中将:ミュージカルを実際にご覧になっていかがでしたか?
真船:「ミュージカルは言葉がわからなくても、すごく面白い!」とよく言われますが、実は「言葉がわからなくても楽しめる」舞台はかなり限られている気もします。実際海外でいくつかミュージカルを見たことがあるのですが、元々のストーリーを知っているものであっても内容についていくのに必死で、「現地のお客さんと一緒になって笑う」とまではいきません。
そこへ来るとこのミュージカルは、歌っている内容までは詳しくはわからないものの、気軽に見られて、現地の方と同じタイミングで笑えます。下ネタの世界共通性を感じました。
あと、出演者の方々がプロとして誇りを持って演じられているのにも感動しました。肩の荷を下ろしながら気楽に見られるミュージカルなので、とっても元気をいただきました。
中将:これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。
真船:みんなに怒られそうなので本当に数年に一回くらいしかSNSにアップしていない作品ですが(笑)。「知らない世界を知れてよかった!」「面白そう!」というようなご意見をたくさんいただきました。
◇ ◇
「Naked Boys Singing!」は1999年初演。主に“オフ・ブロードウェイ”と呼ばれる小劇場で上演されており、観客は間近で演者たちの熱演を楽しむことができるようだ。
コロナ禍がひとまずの沈静化を見せ、海外旅行も復活しつつある昨今。かかえたストレスを晴らしたいという方はぜひ、選択肢の一つに「Naked Boys Singing!」を入れていただきたい。
真船佳奈(まふね・かな)さん プロフィール
テレビ東京社員。バラエティ番組のAD時代の経験談を『オンエアできない! 女ADまふねこ(23)、テレビ番組作ってます』(朝日新聞出版)にまとめ、2017年に漫画家デビュー。以来、平日はテレビマン・週末は漫画家という兼業生活を送る。好きな言葉は「棚から牡丹餅」、嫌いな言葉は「ていねいな仕事」。予定のない日にはひたすら野菜をみじん切りにしている
2022年に漫画「オンエアできない!」のアニメ化が決定。
アニメ「オンエアできない!」
BSテレ東、テレビ東京ほかで、2022年1月放送スタート。
公式ホームページ:https://www.tv-tokyo.co.jp/anime/oadekinai/