日本発「うさぎゅーん!」スタンプがタイで5000万ダウンロード 人気の裏に緻密な仕掛け

今井 佳奈 今井 佳奈

 うさぎモチーフのキャラクター「うさぎゅーん!」のSNSスタンプが、タイで合計5000万以上ダウンロードされ人気を博している。キャラクター開発を手がけたクオン(本社・東京都新宿区)のタイ・ベトナム支社代表・奥川真人氏、うさぎゅーん!プロデューサー・小山幹人氏、広報担当・瀧口さとみ氏が人気爆発の秘訣を語った。

 うさぎゅーん!は2017年に誕生したキャラクター。モチモチとしたコミカルな動きが特徴的で、タイでは2~3年前からLINEやFacebookのメッセンジャーなどのSNSスタンプが販売されている。これまでに出した全6シリーズのダウンロード数はタイ国内で合計5000万件以上。1日のFacebookメッセンジャースタンプ総使用者数は約100万人にものぼる(タイの人口は約6600万人)。

 タイでの人気に火がついたのはFacebook上にアップされた二次創作の作品だった。奥川氏によると地を這う姿のうさぎゅーん!スタンプ画像の文字部分を消し、ユーモアのあるテキストをつけてボケる投稿が多くあったという。「二次創作をたくさん作ってくれて、ソーシャルメディアでそれが拡散して、スタンプもどんどん使われていくみたいなイメージがありました」。スタンプだけでなくキャラ公式SNSアカウントも開設し、人気の「受け皿」を作ることで4コマ漫画や動画、ライセンシングの企画にもつなげている。

 タイで販売するスタンプには日本語版を訳した文字をそのまま入れるのではなく、文字のないイラスト部分のみを現地のスタッフに見せ、ローカル感覚を取り入れた独自のフレーズを採用している。奥川氏は「うちは海外にも支店がありローカルの人材もいるので、生かさないともったいないですし、やらないとローカルのキャラクターに勝つことが難しくなってくるので 」と語った。

 同社は日本やタイだけでなく、中国、韓国などで使われるメッセージアプリでもスタンプを販売。そのため、うさぎゅーん!の開発時には、LINEやカカオトークでのスタンプの流行を「定点調査」していたと瀧口氏は明かす。綿密な調査の結果「白い動物キャラ」が流行っていると判明。アニメーションスタンプが盛り上がった時期も重なり、シュールな動きでかわいいうさぎゅーん!が誕生した。

 昨年はバンコクでアート展示会やコラボカフェも開催し、大成功を収めた。タイでは若い世代の熱烈なファンが多いといい、「タイでは結構高いものになると思う」という日本円で1万円以上の価格をつけた限定フィギュア100体を販売したところ、作者のサイン付き商品がほぼ完売。うさぎゅーん!のタトゥーを入れた来場者もいた。

 さらに、宣伝としてタイの大人気俳優がイベントを訪れたところ、その俳優の日本人ファンから「このうさぎゅーん!ってキャラクター、日本のキャラだったんだ」という反応があったという。 小山氏は「そういう、逆輸入じゃないですけど、不思議な現象が起きていますね」と、かつてないキャラクターの広がり方を歓迎した。

 タイ・ベトナム支社の代表を務める奥川氏は「僕らのキャラクターだけではなく、東南アジアのキャラクターの市場が盛り上がって来ているなと思っている」と期待する。ソーシャルメディアが発展している東南アジアでは、日本からSNSの運用によってキャラクターの人気を獲得することもできる。早い時期から中国や韓国のキャラクターが参入していたと続け、「日本の、IPを持っている方々は急いだ方がいいんじゃないなかと」と、日本のキャラクターのグローバル展開を案じていた。

【写真16枚】もっちもちでかわいい「うさぎゅーん!」スタンプ

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