鷲見玲奈アナ、テレビ&ネットニュースに提言 「ITトレンドEXPO」MCに定着

福島 大輔 福島 大輔
インタビューに応じた鷲見玲奈アナウンサー
インタビューに応じた鷲見玲奈アナウンサー

 法人向けIT製品の比較・検討サイト「IT トレンド」が主催する日本最大級のオンライン展示会「ITトレンドEXPO 2021 summer」が、7~9日に開催された。今回で3回目となるこのイベントで、初回からMCを務めた元テレビ東京でフリーアナウンサーの鷲見玲奈が、よろず~ニュースの単独インタビューに応じた。

 展示会のテーマは「DX is Adventure」で、ITのツールやサービスを持つ企業と、それらのツールやサービスを利用してDX化を推進したい企業に「偶然の出会い」を提供することが目的。鷲見アナは「毎回、どんどんパワーアップしてるなと感じます。私自身、ITの分野をそこまで勉強してきたわけじゃなかったので、初めて聞く言葉やサービスが本当にたくさんあるのですが、今後の日常であったり企業のことを考えると、ますます便利になっていくんだなって、参加するたびにワクワクしますね」と話した。

 新たな知識を、アナウンサーとしてわかりやすく伝えていく立場。「難しいですね。今までこういうジャンルの仕事はあまりしてこなかったので…」としつつ、「私も1人の視聴者として聞いて、素直にリアクションして、聞きたいことを聞くという立ち位置でいいのかなって」と、自らの役割を口にした。

 自身が活躍するメディアおよびエンターテインメントの世界でも、ITによる変化は顕著。2020年3月いっぱいでテレビ東京を退社し、フリーとなった鷲見アナだが、在局時代から「テレビ局は今後、淘汰されてしまうかも」という危機感を持っていたという。

 退局後の活動については「めちゃくちゃ仕事の幅は広くなりましたね」と笑顔で即答。今まではテレビで原稿を読む機会であったり、社内の行事の司会であったり、ナレーションであったりという仕事が大方を占めていたんですが、こういったイベントをやるっていうこともフリーになったからこそできること。できることが増えるのはうれしいですし、フリーになってから、自分に向いている場所ってどこなんだろうってずっと考えてきたので、そういう意味ではまたさらに選択肢が広がったのかなと思います」と表情を輝かせた。

 SNSを中心とした「ニューメディア」に対し、テレビや新聞は「オールドメディア」と称される時代。実際、テレビ局時代には「できないことはありましたね。例えば、企業系の何かがついているイベントにMCとして出演するとことがまずできないですし、商品の紹介も、自分がいいと思っている商品でも、商品名を出すということがまずできない」という。8月4日には初写真集を発売するが、「実は局時代にも写真集の話はいただいていたらしいんですけど、それもできませんでしたね」と明かした。

 フリー転身後は、インスタグラムを中心としたSNSを利用し、注目度は芸能界でもトップレベル。「できればいい風に取り上げていただきたいんですけどね。お手柔らかによろしくお願いします」といたずらっぽく笑った。

 SNSでの発信が増える分、日々取り上げられるネットニュースへの対応も意識している。「今は本当に、良くも悪くもニュースにしていただけるので、こう書いたらどうなるのかっていうのを、常に影響とかを考えて発信するようにはしています」と苦笑い。「よく勘違いされるのが、『事務所が書かせてる』ってめちゃくちゃ言われるんですけど、それはないです」と否定しつつ、「余計なことを書くとニュースになってしまうので、なるべく余計な情報は入れないようにして載せるようにはしています。でも話題にしていただけるのはいいことなので…」と複雑な思いも吐露した。

 常に進化していくITの世界だけに、SNSやメディアの変化も著しい。今後のSNSの展望については「いろいろ、住み分けていくのかなって。YouTubeとテレビが今のところ住み分けをしていますが、ツイッターとインスタグラムもそれぞれの強みを生かして残っていくと思います。」と分析。「ツイッターの方が、気軽に何気ないことをはき出すというか、ちょっとブラックな感じで言いたいたいことを言える場所。インスタグラムは、自分の日常の『いい面』を発信していく…という風に使い分けられていくのかなって、今のところ思ってます」と持論を展開した。

 加えて、エンターテインメントの〝未来予想図〟にも言及。「どうなるんですかね…。と逡巡しつつ、「何だかんだでテレビが形を変えつつ残っていくと思います。あとは、やはりサブスクが強いので、ネットフリックスであったりアマゾンプライムなどのネットコンテンツは、さらに強くなるのかなとは思います」と答えた。

 テレビ局出身だけに、テレビへの思いはひときわ強い。若者のテレビ離れが叫ばれる昨今だが、「(テレビは)必要だと思います、本当に」とキッパリ。さらに「テレビって、ちゃんと取材して精査された情報を流しているんです。いわゆる裏取りですが、局アナ時代、私もスポーツ番組において相当厳しく言われてきたので。稀に裏取りが足りていない番組もありますが、基本的には正しい情報として発信する役割だと思うんですね。それに比べて、やっぱりネットニュースとかって、情報も偏りますし…」と、ネットニュースとの比較論を展開した。

 さらに「私のことについてネットニュースになっているものを見ていると、全くのウソ情報もかなりありますし、タイトルだけで〝釣る〟ような記事も多いです。それで情報や印象が操作されることも、多いと思うんですよ。どうしてもPV数を稼いだりとか、コメント数を稼いだりっていう、そういう狙いで書かれることが多いので、正しい情報を正しく受け取ることができないんです」と熱弁。「なので、その部分で言えば、テレビの方がまだストレートにというか…。番組によっては、ちょっと〝色〟が付いているところもあるかもしれないんですけど、基本的には、ストレートな情報が、ネットよりはあるのかなと思います」と話した。

 情報産業に籍を置く人間としての責任感が、非常に強い鷲見アナ。「もうちょっと、人が安心して見られるというか…。今でもテレビに対して『印象操作しているんじゃないか』と疑念を抱く人はいますし、意図的じゃないにしろ、結果的にそうなってしまっているなと思うことが私もあるので。なので、そこをもう一度見直してフラットにしようという考え方が強くなってくると、これからのテレビの在り方として正しい位置取りができていくのかなとは思います」、テレビ界に対しての提言も。さらに「日本は災害の多い国なので、災害時に正しい情報をスピーディーに伝えていくというのは大事な役割だと思います。やっぱりテレビって、ついていると安心するので」と、表情を引き締めて締めくくった。

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