メンズ地下アイドル界のTikTok活用術「ファンの力も借りて」〝バズ〟を目指す

 メジャーデビューをせず、ライブやイベントを中心に活動するメンズ地下アイドルと呼ばれる男性グループの中で、動画共有アプリ・TikTokにファンが投稿した動画をきっかけにグループが注目を集める事例が増えている。3日に初の「TikTok特典会」を大阪市内で開催した4人組ボーイズグループ「京都男子」の上終旭広(かみはてあきひろ=23)は「ファンの方の力も借りて、よりグループのことを知ってくださる方が増えたら」と語った。

 企画を発案した同グループの担当者は「メンズアイドル界では今、TwitterやインスタグラムよりもTikTokから人気になることが多い」と話し、「『動いている方がかっこいい』ということもあるので」と、文や静止画投稿が中心のSNSではなく動画に特化したTikTok特典会を開催した理由を明かした。TikTok上では、ボーイズユニット「楽遊BOYS編集部MEID」の特典会の様子を撮影したファンの投稿が100万回以上再生された例もあり、京都男子のメンバーとスタッフもその動画を目にしていたという。

 同グループの従来の主な特典内容はチェキ撮影だった。「〇〇ちゃん今日もありがとう」などとメンバーが話す、約10秒間のメッセージをスマートフォンのノーマルカメラで撮影する動画特典もあったが、TikTokアプリでの動画撮影の機会を設けたのは今回が初めてだという。メンバー1名を指定して動画を撮影する「TikTok撮影券」は1枚2000円。従来通りの「2ショットチェキ券」(1枚1000円)も用意され、撮影後には特典券1枚あたり約30秒間のトークタイムが設けられた。

 特典券を持つファンはメンバーごとに分けられたブースの前に並び、撮影の順番を待つ。待ち時間には、音楽を流しながら振り付けを確認する人もいた。ファンは事前に発表された5曲のTikTok音源から使用する曲を選択。ブースに入ると、メンバーと感染症防止対策の透明ビニールシート越しに見つめ合い、時折照れる様子を見せながら、スタッフが持つファンのスマホに向かってTikTokの振り付けを踊った。来場者の中には撮影券を買い足したり、列に並び直して〝ループ〟したりする人の姿もみられた。

 イベント終了後、上終は「ファンの方の力も借りて、よりグループのことを知ってくださる方が増えたらいいなと。新しい試みとして楽しかったです。これを機にいろいろな人に知ってもらえたらなと思いました」とコメント。風早永都(かざはやえいと=26)は「僕たち側が発信したTikTok(の動画)よりも、ファンの人が『こういう特典会をしていました』みたいな感じであげているのがバズっていたりすることがよくある。僕たち側からではそういうことはできないので、ファンの人たちにしていただけたらうれしいなと思います」と期待を述べた。

 今回のイベントでは「#京都男子をバズらせて」のハッシュタグを付けTikTokに投稿することを運営サイドが推奨。メンバーが投稿する公式アカウント動画の再生回数が数百~2000回程度であるのに対し、ファンが投稿した特典会の動画は数千回~約1万回(5日時点)再生されていた。

 

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