映画演劇文化協会(委員長・松岡功)は26日、映画プロデューサーを表彰する藤本賞の選考を行い、国内興行収入が史上初めて400億円を突破した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(外崎春雄監督)から、岩上淳宏、近藤光、大好誠の3氏に藤本賞を授与することを発表した。
同賞は269作品を製作した名映画プロデューサー・藤本真澄氏の功績を讃えて設けられた賞で、昨年度の劇場公開作品を対象に選考が行われた。岩上氏は同作を配給するアニプレックスの代表取締役、近藤氏は同作の脚本製作を担ったufotableの代表取締役、大好氏は原作を出版する集英社から選出された。
受賞理由は「吾峠呼世晴の週刊少年ジャンプ連載からアニメ放送を経て人気絶頂で迎えた本作は、アニメーション映画としての圧倒的な映像と音楽、そして老若男女全ての世代の心を掴む魅力的な物語が、迫力あるLiSAの主題歌の効果と合わせて社会現象を巻き起こし、3000万人に迫る観客の共感を呼び、20年ぶりに日本映画の観客動員記録を塗り替えた。全米でも記録的なヒットを飛ばすなど海外での成功も合わせ、コロナ禍で沈滞していた映画界全体をも大いに活性化させた功績により」としている
また、藤本賞特別賞には『罪の声』(土井裕康監督)から那須田淳、渡辺信也、進藤淳一の3氏が輝いた。藤本賞奨励賞には『花束みたいな恋をした』(土井裕康監督)から孫家邦、菊地美世志の両氏、『浅田家!』(中野量太監督)から小川真司氏が選出された。
藤本賞には賞金50万円、藤本賞特別賞、藤本賞奨励賞には賞金30万円、ならびに各賞に対し、副賞がそれぞれ贈られる。授賞式は、新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、開催を見送られた。