新型コロナウイルス対応の改正特別措置法に基づく3度目の緊急事態宣言期間が、東京、京都、大阪、兵庫の4都府県で25日から始まった。大型商業施設やテーマパーク、映画館が軒並み休業し、東京都の大型施設・東京ビッグサイトも期間内の使用中止が決定した。その影響が直撃し、25日に予定されていた同人誌即売会「SUPER COMIC CITY GYU!!2021」も、直前での延期を余儀なくされた。同会を運営する「赤ブーブー通信社」は、損害の大きさを明かすとともに、東京都の対応のまずさも訴えた。
同社関係者はよろず~ニュースの取材に対し、「催事の会場の準備自体は、土曜日(24日)の18時から入室してやらせていただく計画でした」と回答。当然、搬入車両の準備なども終えており、その撤収や送り返しに相当の費用が掛かっているという。「それ以前にも、報道から何となく伝え漏れてはいたものの、(コロナの)第2波の時には、制限はありましたがイベントは開催できていました。これまで、しっかりガイドラインに沿った開催実績を積んできているので、開催ができないところまで踏み込んだ結果になるとは思っていなかった部分もあります」と話した。
開催直前の発表というタイムスケジュールにも、問題は大きかった。「23日の夜に、25日の開催が止められるということは、運用上無理がある。車でも、ブレーキ踏んでも、実際に止まるまではある程度距離が必要ですよね、それと同じで、止めるための措置も必要になってきます」と持論を展開した。
1年以上続くコロナ禍において、「そろそろ〝勘どころ〟が分かってきた感染症対策ができるはずなのに、今は最初のころに戻ってしまった印象」と同社関係者。今回の中止での損害額は数千万円単位に上り、会社経営にも影響を与える可能性があるという。「補償を求めたいし、用意していただくのが筋だと思いますが、今のところは何もない」と嘆いた。
とりわけ今回は、都の対応に不満を募らせている。内閣府から「多大な混乱が生じることが想定されると主催者が判断する場合、25日から直ちに無観客化を実施しないこととして差し支えない」との特例対応許可が出ており、実際にプロ野球は25日も有観客試合を行ったこと等を挙げ、「都は直前のものに関して、当てはめをしなかった。都民、国民として、そこは不満です」と語気を強めた。
また同社は、参加予定者の損害や心境も慮った。「参加サークルの方々は、本の入稿の準備もされていますから、その損失額の方が大きいだろうと思っています。同人誌は、『売れなかった分は、他で売りましょう』というわけにはいかない。今回、1800件弱のサークルさんの機会が奪われてしまったことは、大きな損失だと感じています」と悲痛な声を漏らした。