〝撮り鉄〟トラブルから傷害事件の暴挙 中学生が頭の骨折る重傷 JRはマナー悪化に苦言

よろず~ニュース編集部 よろず~ニュース編集部
 Wirestock/stock.adobe.com
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 鉄道の写真撮影を趣味とする〝撮り鉄〟。そのマナーについて論議される機会が多いが、〝撮り鉄〟同士のトラブルから傷害事件に発展する暴挙が起こってしまった。

 事件が起こったのは25日午後5時20分ごろ。埼玉県川口市のJR西川口駅ホーム上で、10~20代くらいで、身長約170センチの男が、県内に住む男子中学生を押し倒した。男子中学生は頭の骨を折る重傷を負い、男は大宮方面行きの京浜東北線に飛び乗って逃走。埼玉県警川口署によると、男は依然、逃走中で、傷害容疑で行方を追っている。

 同署によると、この直前にJRの臨時快速列車「あしかが大藤まつり号」が到着するとあり、撮影しようと約10人の〝撮り鉄〟が待機。その撮影場所を巡り、男は別の男子中学生とトラブルに成り、小競り合いを起こした。その様子を、被害を受けた中学生がスマートフォンのカメラで撮影していたところ、男が激怒し、ホーム上で押し倒したという。

 西川口駅を管轄するJR東日本大宮支社は、よろず~ニュースの取材に「写真を撮るという行為自体は規制できないが、場所の問題がある。撮影者同士のトラブルは、JRとしても関知できない部分がある」と回答した。

 その上で〝撮り鉄〟のマナーについては「一部の方だと思いますが、これまでも、電車止めてしまうとかもあった。危険な行為はやめていただきたい」と発言。「撮影についても、過度な場所取りは、歩行の邪魔になるようなら問題ですし、点字ブロックを必要とされる方もいらっしゃる中で、それをふさぐようなことがあっては…。『良いポジション取り』というのがあるのかもしれませんが、電車が走っているということを意識して、安全に行っていただきたい」と苦言を呈した。

 一部の〝撮り鉄〟のマナー悪化が引き起こす事件は全国でも問題視されている。3月には都内で、定期運行を終了した車両「185系」の回送シーンを狙って線路内に侵入したことで、運行中の列車が約26分間停止し、警察が出動する事態となった。また、SLの運行で知られる静岡県の大井川鐵道では、沿線での場所取りが交通の妨げとなるなどし、警察に通報する騒ぎも起きている。

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