「招き猫」の寺・豪徳寺で考えた昨今の猫ブーム 飼い主の“癒やし”と“努力”

今野 良彦 今野 良彦
奉納された招福猫児の一部
奉納された招福猫児の一部

 ところが友人の獣医師に同じ質問をしたところ「猫は猫。種類に関係なく、家族である猫にとって幸せな環境で、最期まで暮らせるかだけだよ」との返答だった。この言葉に、飼い主は一度飼い始めたら、最期の瞬間まで愛情を注ぎ続ける覚悟がなくてはいけないと思った。

 猫を飼うのにかかる費用は、並大抵ではない。先ほどの実態調査によると、猫の平均寿命15・45歳から算出して、生涯にかかる必要経費は123万5000円余りになる。1年で8万円ほどの計算だ。新型コロナウイルス感染症拡大における国民1人に対する定額給付金10万円と大差がないほどの金額である。また、猫は環境の変化に敏感で、慢性腎臓病になりがちなだけに「散歩しないでいい犬より、飼育が簡単」という安易な考え方で、家族の一員に迎え入れてはいけない。途中で飼育が難しくなったからといって、放置するなど言語道断だ。

 家にいる猫たちは、飼い主に“癒やし”という最高の福を招いてくれる。招き猫の寺ならぬ招き猫の家にするための努力は惜しんではならない。

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