大ヒット公開中のシリーズ完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の来場御礼舞台挨拶が28日、都内の新宿バルト9で開催され、出演した14人の声優陣が集結した。公開や大ヒットを受けての心境、アフレコ時の裏話を披露。自身が演じたキャラクターや作品への思い入れなど、それぞれの「さらば、全てのエヴァンゲリオン」が語られた。
1997年の旧劇場版以来、24年ぶりの舞台挨拶。主人公・碇シンジを演じた緒方恵美は「これだけのメンバーがそろうのは最初で最後だと思います。私たちもとても楽しみに来ました」と、万雷の拍手を送った観客に呼びかけた。アヤナミレイ(仮称)役の林原めぐみ、式波・アスカ・ラングレー役の宮村優子、葛城ミサト役の三石琴乃らが数々の秘話を披露した。
最後に緒方は、シンジについて「本作では狂言回し的なポジションで、皆さんが話しているのに相づちを打って、昇華していく皆さんを送り出す係だと思います」と分析。庵野秀明監督に対しては「“庵野さん、おめでとう”と送り出した気持ちが、とても強いです」と語った。
さらに1995年のテレビシリーズを「一番最後に、シンジが中心になって皆に“おめでとう”と言われて“ありがとう”と返したんですけど」と回想。そのうえで「(今作は)そうではなくて、庵野監督を含めて自分から離れていく皆さんに“おめでとう”と送り出して、自分が残ったという感じです。すごく変な感じなんですけど“庵野さん、お疲れさま”という気持ちで一杯です」と、新作をまるで卒業式のように捉えていた。
テレビシリーズからの26年を経た完結。緒方は「数年後だと違った見方が発見できる作品だと思います。作品名にリピートマークがついていますけど、作品を繰り返し見ていただいて、なんならテレビシリーズから見ていただいて、その時々の皆さんの気持ちを探していただければと思います」と、締めくくった。