◆たわわな気持ち 全部やっちゃおう(古澤健監督)
「交際相手の男性に感化された映画監督の女性が登場します。私は当初、感化を受けた男から自立する物語と捉えました。ところが古澤監督と話したところ全く違いました。彼女の感性は彼女自身が育んだもので、女は男に影響されるもの、という思い込みを解き放つ-が監督の考え方でした。そこまで考えているのかと、恐れ入った次第です」
コンプライアンスの強化、ジェンダー観の広がりの中で、変わらないピンク映画の魅力がある。
「古澤監督が使っていたのですが“ただの映画”という言葉がしっくり来ます。入れ替えなしで3本立て上映が普通だった昔、映画館で感じたものに近いような気がします。題名を覚えていなくても何かが心に残り続ける、そんな良さが頭に浮かびます」
ピンク映画も入れ替えなしの3本立て上映。内容はコメディーあり、任侠やファンタジーや文芸的なものに加え、ひたすらエッチさを追求したものもあり、テーマは自由そのものだ。ネット上でより刺激的な映像がはびこる中、根強いファンがいる理由が、少しだけ分かったような気がした。
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