ピンク映画は今…求められるモラル、根強いファンも 切通理作氏が語る

山本 鋼平 山本 鋼平
 切通理作氏が責任編集した「別冊シネ★まみれ-第1回ピンク映画ベストテン特集号」
 切通理作氏が責任編集した「別冊シネ★まみれ-第1回ピンク映画ベストテン特集号」

 ◆たわわな気持ち 全部やっちゃおう(古澤健監督)

 「交際相手の男性に感化された映画監督の女性が登場します。私は当初、感化を受けた男から自立する物語と捉えました。ところが古澤監督と話したところ全く違いました。彼女の感性は彼女自身が育んだもので、女は男に影響されるもの、という思い込みを解き放つ-が監督の考え方でした。そこまで考えているのかと、恐れ入った次第です」

 コンプライアンスの強化、ジェンダー観の広がりの中で、変わらないピンク映画の魅力がある。

 「古澤監督が使っていたのですが“ただの映画”という言葉がしっくり来ます。入れ替えなしで3本立て上映が普通だった昔、映画館で感じたものに近いような気がします。題名を覚えていなくても何かが心に残り続ける、そんな良さが頭に浮かびます」

 ピンク映画も入れ替えなしの3本立て上映。内容はコメディーあり、任侠やファンタジーや文芸的なものに加え、ひたすらエッチさを追求したものもあり、テーマは自由そのものだ。ネット上でより刺激的な映像がはびこる中、根強いファンがいる理由が、少しだけ分かったような気がした。

 同特集号の購読は、東京・阿佐ヶ谷で切通氏が営むネオ書房=TEL03-3339-6378、お店のツイッター(@bu_suko)=まで。(デイリースポーツ・山本鋼平)

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