河合塾は、中高一貫校に通う中学生を対象とした全国規模の学力測定テスト「全国中高一貫校中学生テスト」を新たに実施する。受験料は無料で、自宅受験と校舎受験の両方に対応し、初年度は数千人規模の参加を見込んでいる。
少子化が進む中、教育産業では従来の「高校受験」「大学受験」だけではない新たな受験カテゴリーの開拓が進んでいる。人気の高まる中高一貫校生向けサービスは、各社が注力する有力マーケットのひとつになっている。
今回のテストは、そうした流れの中で登場した新しい試みだ。河合塾は背景について、「高校受験のない中高一貫校生は、中学入学後、大学受験まで6年間にわたり、大きな学習の節目がありません」と説明する。「大学受験では全国の受験生がライバルとなりますが、中学生がそのことを意識する機会は多くありません」と学習到達状況の“見えにくさ”を課題として挙げている。
そのため今回のテストは、「ご自身の相対的な位置を知っていただくとともに、難関大受験の基盤となる中学、高1範囲の学習到達状況を確認していただくため」に実施するもので、いわば“中高一貫校生専用の全国テスト”と言える。模試とは異なるため、志望大学の合格可能性判定は行わない。
受験生が受けるテストの多くは、有料模試や高校受験する生徒を含む中学生全体を対象としたものが中心だ。その中で、河合塾は今回の無料実施について「将来の難関大学合格に向けて、現状を把握し、モチベーションを高めていただくために敢えて無料で実施いたします。気軽に参加でき、かつ中高一貫校生に限定して実力を測定できる数少ない機会に」と話す。無料化によって参加のハードルを下げ、接点を広げる狙いがあるとみられる。
実施形式にも工夫がある。広く受験できる自宅解答形式のほか、「より緊張感ある環境」として全国の校舎でも受験可能とした。また、紙の問題冊子を採用した理由については、「現状、大学入試は紙の問題冊子、解答用紙に筆記する形式であり、学校などでも紙を使った形式に慣れているからです」とし、“本番に近い環境”を重視した設計とした。
受験産業が少子化の中で競争を強める中、今回の取り組みは「特定層に特化した無料全国テスト」という新しいカテゴリーを提示する動きとも言える。学習データの取得と生徒との早期接点づくりを両立させる試みとして、今後の広がりが注目される。
河合塾の「全国中高一貫校中学生テスト」は英語と数学の2科目で11月8日実施。当日受験できない場合、11月9日~24日までWebで答案提出できる。
詳細・申し込みは河合塾HPの該当ページ(https://www.kawai-juku.ac.jp/event/spc/jhg-challenge/)まで。